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携帯電話の料金問題 学習会 報告

 携帯電話の普及率は100%を超え、多くの国民が利用していますが、大手の携帯電話会社による寡占状態で市場の競争がまだ十分ではない状況にあります。その競争環境の整備は政府の重要課題になっており、菅官房長官は、携帯料金は4割は下げられると再三発言されています。

 現在、総務省の情報通信審議会では、「モバイル市場の競争環境の確保の在り方」「消費者保護ルールの在り方」等について検討を始めています。この検討は、直接、携帯電話の利用料金の仕組みの改革につながる議論となります。11月26日には、携帯電話料金の引き下げに向けた緊急提言案がまとめられました。

 今回の学習会では、総務省からは現段階での検討内容について、公正取引委員会からは携帯電話市場の関係事業者に対してのヒアリングや消費者アンケートなどを基にまとめた報告について説明をいただき、利用者にとってどのような料金体系が望ましいのか、意見交換をしました。

【日 時】12月17日(月) 18時00分〜20時00分

【会 場】主婦会館プラザエフ5階会議室

【講 師】総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 料金サービス課 課長 大村真一さん
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 消費者行政第一課 課長 梅村研さん
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課長 塚田益徳さん

【参加者】39人

【主な内容】

総務省より「モバイル市場の競争環境の確保の在り方」について

 総務省では、モバイル関連競争政策として、①MVNO促進(接続料の適正化) ②料金その他の提供条件の適正化 ③SIMロック解除の促進 ④端末販売の適正化について対応をすすめています。

 現在は実質的に大手携帯電話事業者(MNO)3グループ(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)に収れんし、MNOから設備を借りてサービスを提供する事業者(MVNO) のシェアは11%です。

 大手3社の料金プランで割引などがありますが、その中で、2年縛り(期間を拘束して契約をするもの)、4年縛り(条件を満たした時に端末代の残債が免除される)問題があります。また大手事業者は端末にSIMロックをかけて販売をしていますが、消費者が事業者を乗り換えようとしても他で端末が使えないという問題があるので、SIMロック解除の取り組みをすすめています。

総務省より「消費者保護ルールの在り方」について

 電気通信事業法における消費者保護ルールについては、①契約前の説明義務 ②契約内容について書面の交付義務 ③初期契約解除制度 ④苦情等の処理業務 ⑤不実告知等・勧誘継続行為の禁止 ⑥代理店に対する指導等措置 ⑦事業の休廃止に関する周知義務 ⑧各規律の担保措置(事業改善命令)があります。

 現状把握のために、苦情内容(PIO-NETや総務省に寄せられた)の傾向分析や実地調査(覆面調査)なども行い、改善につなげています。

「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言(案)」について

 シンプルで分かりやすい携帯電話に係る料金プランの実現、販売代理店の業務の適正化の確保等をまとめ、パブリックコメントを募集していました。

※全国消団連の意見はこちら

公正取引委員会より「携帯電話市場における競争政策上の課題」について

 公正取引委員会では違反行為を取り締まる以外にも、特定の事業分野について実態調査を行っています。携帯電話は国民生活に必要不可欠な状況にあり、家庭の消費支出も増加していますが、市場競争が十分でないと考えられることから調査を行い、6月に結果を発表しました。

 消費者の携帯電話の契約に対する認識の把握のため、消費者アンケート調査などを受けて、報告書の提言として携帯電話市場における競争政策上の課題(通信会社を決める時の問題として「通信と端末のセット販売」「中古端末の流通」、通信会社を移る時の問題として「2年縛り」「4年縛り」「SIMロック」)をまとめ、消費者の選択機能のための望ましい対応の提言がされました。

以上

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