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主催:特商法の抜本的改正を求める全国連絡会
文責:全国消費者団体連絡会事務局

特商法拡大意見交換会 開催報告

「特商法の抜本的改正を求める全国連絡会(以下、特商法全国連絡会)」は、2022年10月7日に発足し、全国消団連を含む57団体が参加して特定商取引法の改正運動に取り組んでいます。

 高齢者を狙った詐欺的な販売や若年層のSNSを介した勧誘など、その手口は一層巧妙化し、現行法による被害根絶は困難で一刻も早い法改正は喫緊の課題であると考えます。

 そのような状況の下、特商法の今後に対して大きく影響を及ぼすであろう、二つの報告書がまとめられて公表されました。消費者庁「デジタル社会における消費取引研究会」報告書と内閣府消費者委員会「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」報告書です。

 そこで、二つの報告書について消費者庁からの説明を聞いたうえで、特商法全国連絡会参加団体に限らず、幅広い皆さんで意見交換できるよう、拡大意見交換会を開催しました。

 消費者庁の古川課長。遠藤課長からのご説明の後、「特商法改正全国連絡会」などの意見書紹介なども含めて、意見交換を行いました。

【日時】2025年9月18日(木)18時30分〜20時30分〔Zoom活用のオンライン意見交換会〕

【内容】
1.「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」報告書のご説明
消費者庁 消費者制度課 課長 古川剛さん
2.「デジタル社会における消費取引研究会」報告書のご説明
消費者庁 取引対策課 課長 遠藤幹夫さん
3.質疑応答と意見交換

【参加】138人

概要(事務局による要約)

「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」報告書について

報告 消費者庁 消費者制度課 課長 古川剛さん

 消費者契約法の2022年(令和4年)改正時の国会における議論で衆・参両院から「既存の枠組みに捉われない抜本的かつ網羅的なルール設定の在り方について検討を開始すること」という附帯決議がなされ、消費者庁での「消費者法の現状を検証し将来の在り方を考える有識者懇談会」、その後消費者委員会に諮問をして、「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」が開催され、今年の7月に報告書が答申。この報告書は、議論の発端が消費者契約法ですので、消費者契約法をどのように改正していくのかという議論を考えていかなければいけないと認識していますとの話がありました。

「デジタル社会における消費取引研究会」報告書について

報告 消費者庁 取引対策課 課長 遠藤幹夫さん

 今年6月末に着任されたとして自己紹介いただいた上で、「デジタル社会における消費取引研究会」報告書の説明がされました。そして今後に、本報告書の内容を踏まえ、消費者団体・事業者団体等、様々なステークホルダーの方々の意見を伺いながら、検討を深めていくとの話がありました。

◇特商法全国連絡会の意見書は以下ご確認ください。2025年9月12日に関係閣僚と政党要件を満たした政治団体に提出しています。
https://tokushoukaisei.net/wp/wp-content/uploads/2025/09/511321237c7d88982abb0c6552724eff.pdf

参加者の特徴的な意見・感想(参加者アンケートより)

〇意見交換会評価 「よかった」93.3%、「ふつう」6.7%、「よくなかった」0%でした。

〇「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」報告書について意見・感想より

  • 「誰も脆弱な消費者になり得る」というのは、これから消費者契約法を考える大前提になることであり、これについては評価。どのようなスピード感と内容になるかを注視。
  • 今後の消費者法制の考え方の道筋をつけるものだと思いました。
  • 理解するのは若干困難だった。

〇「デジタル社会における消費取引研究会」報告書について意見・感想より

  • デジタル社会の進化のスピードにあまりにも法制度が追いついていない状況なので、早急な対応を求めたいです。
  • デジタルにおいての消費者の個人差はとても大きいと思います。声の大きな経済界に惑わされることなく、消費者が救済されることを望みます。
  • 研究会の在り方については疑問があるものの、遠藤課長のお話にもあったとおり、すべてを否定するものではないという認識。消費者のリテラシーをどの程度期待するのかも法制度の重要な視点であると感じた。
  • 私は元相談員ですが、特に全国連絡会意見書ではPIO-NET情報の評価について「間違っていると言わざるを得ない」と明確に書いてくださり、それにつきましても課長より(当初のご感想は疑問も感じたものの)エビデンスとしての評価をいただけましたことに安堵しました。

〇全体について意見・感想より

  • 古川課長、遠藤課長両名のお話しぶりから、関係団体との積極的関わりを肯定的に捉えていると感じ、希望が持てたこと。
  • 消費者団体、消費者庁が問題意識を共有していることが確認できた。
  • 忌憚のない意見交換の場になって良かった。

以上

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