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大手電力による一連の不正事案に対して、早急かつ厳正な監視体制を整え、
消費者が納得できる公正な競争環境の実現を求める意見を提出しました

 2022年12月上旬に事業者向けの電力の販売をめぐり大手電力4社(関西電力、中部電力、中国電力、九州電力)がカルテルを結んでいたとして、公正取引委員会が課徴金を課す方針を固めたことが報道されました。(以下カルテル問題)
 また2022年12月下旬から2023年1月にかけて大手電力8社の送配電会社の持つ新電力の顧客情報漏洩、および小売会社の不正閲覧問題が明らかとなりました(以下情報漏洩事案)。
 さらに、すべての大手電力が経済産業省の持つ再エネ業務管理システムを不正に閲覧する事案も明らかになりました(以下、再エネ業務管理システム不正閲覧事案)。

 このうちの情報漏洩事案については、送配電事業の法的分離の問題点をあらわにし、大手電力と新電力の対等な競争環境を目指して進められている電力システム改革の根幹を揺るがす深刻な問題と捉え、全国消団連は電力・ガス取引監視等委員会に向けて、監視の強化と対策を求める意見「送配電株式会社の情報漏洩問題に対し、厳正なる対応を求めます」を1月31日に提出しました(http://www.shodanren.gr.jp/database/485.htm)。

 カルテル問題については、公正取引委員会より3月30日、旧一般電気事業者等ら(中部電力株式会社、中部電力ミライズ株式会社、中国電力株式会社、九州電力株式会社及び九電みらいエナジー株式会社)に対し独占禁止法違反で排除措置命令および課徴金納付命令が出されました(関西電力は「課徴金減免制度」により、排除措置、課徴金は免除)。
 その審査の際に認められた事実等について、電力・ガス取引監視等委員会に対しても、大手電力同士の情報交換や価格競争のけん制、卸売市場への供給量の絞り込みや価格操作などの情報が伝えられ、電気の小売供給市場における競争の適正化を求めました。
 このカルテル事案を含め旧一般電気事業者等らによる一連の不正事案は、電力自由化の理念や目的に反するものであり、健全な市場を害し、電力システム全体に対する消費者の信頼を揺るがす重大な問題です。生活に不可欠な電気の供給において、一連の不正事案への早急かつ厳正な監視体制を整え、健全で公正な競争環境が実現されるよう求める意見を6月2日に提出しました。

提出先:経済産業大臣、資源エネルギー庁長官、電力・ガス取引監視等委員会、資源エネルギー庁電力・ガス事業部

大手電力による一連の不正事案に対して、早急かつ厳正な監視体制を整え、
消費者が納得できる公正な競争環境の実現を求めます

 2022年12月下旬から2023年1月にかけて送配電会社の持つ新電力の顧客情報漏洩、および大手電力会社の不正閲覧問題の発覚により、送配電事業の法的分離の問題点が明らかになりました。全国消団連は、大手電力と新電力の対等な競争環境を目指して進められている電力システム改革の根幹を揺るがす深刻な問題ととらえ、1月31日、電力・ガス取引監視等委員会に対して監視の強化と対策を求める意見書を提出しました。

 2023年3月30日には、公正取引委員会より、電力カルテルに関して中部電力株式会社、中部電力ミライズ株式会社、中国電力株式会社、九州電力株式会社及び九電みらいエナジー株式会社に対し独占禁止法違反で排除措置命令および課徴金納付命令が出されました。電力・ガス取引監視等委員会に対しても、大手電力同士の情報交換や価格競争のけん制、卸売市場への供給量の絞り込みや価格操作などの情報が伝えられ、電気の小売供給市場における競争の適正化を求めました。このカルテル事案を含め旧一般電気事業者等らによる一連の不正事案は、電力自由化の理念や目的に反するものであり、健全な市場を害し、電力システム全体に対する消費者の信頼を揺るがす重大な問題です。生活に不可欠な電気の供給において、一連の不正事案への早急かつ厳正な監視体制を整え、健全で公正な競争環境が実現されるよう、以下の対応を求めます。

1.電力・ガス取引監視等委員会の監視体制の強化、独立性の担保を求めます。

 電力・ガス取引監視等委員会において、公正取引委員会から情報提供があるまで不正行為を見抜けなかったことは大変遺憾であり、見抜けなかった原因についてしっかり検証すべきです。また、公正取引委員会から電力・ガス取引監視等委員会に対し個別事案として調査・対応が可能な形で情報提供されなかった理由についても明らかにしてください。電力・ガス取引監視等委員会が名称にふさわしい機能と権限を有する組織となるよう、行為規制の遵守や内部統制の強化などの視点から検証し、監視体制を強化するとともに独立性をしっかり担保してください。

2.不公正、不適切な競争環境の是正に向けて、早急な対策の実施と効果の検証を求めます。

 公正取引委員会の独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為による排除措置命令の審査において認められた事実は、電力自由化の下で確保されるべき公正な競争を既存の大手電力によって阻害する動きであり、電力システム改革における諸制度に対する消費者からの信頼を損うものです。経済産業省は4月28日に経産大臣から指示された「小売電気事業の健全な競争を実現するため対策」の検討を通して、早期に公正な競争環境の整備に向けた具体的な施策を示し、その施策を確実に実行してください。同時に、経済産業省資源エネルギー庁、電力ガス取引監視等委員会が旧一般電気事業者等に課した行政処分のフォローアップを行い、その進捗について需要家に対してわかりやすく情報開示することにより、社会全体から旧一般電気事業者等への監視の目が行き届くよう厳正に対応してください。

以上