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消費者政策の一層の推進を求める特別決議
消費者団体訴訟制度の早期導入と、
消費者基本計画の策定への消費者意見の反映を求めます。
 

 「消費者の権利」が消費者基本法に明記されました。今後は「消費者の権利」が個別法制度や政策の中できちんと位置付けられ、くらしの中で「権利」が保障され、いかされるようにしていくことが、消費者運動の今日的な課題となっています。

 現在、国民生活審議会では、消費者団体訴訟制度の検討と消費者基本計画の策定のための討議が行われています。消費者団体訴訟制度の早期実現と消費者基本計画の策定にとって重要な時期となっています。

消費者団体訴訟制度を早期に実現しよう!

 消費者団体訴訟制度は、消費者全体の利益を擁護するために事業者に対して訴訟をおこす権利を、一定の要件を満す消費者団体に認める制度です。被害発生の早い段階で事業者に対し警告を行い、それに応じない場合は事業者の不当な行為を差止める訴訟をおこし被害の拡大を防止しようとする制度です。また、被害救済のために事業者に対し損害賠償を求める訴訟をおこす権利を消費者団体に認めるものです。消費者団体訴訟制度には、こうした不当な行為の差止めと損害賠償の2つがあります。消費者被害の未然防止・拡大防止・被害救済のためには、団体訴訟制度の導入が必要です。損害賠償は、制度設計が容易でなく短期間での結論は困難であり、被害が急増している中で私たちは、差止めに関する団体訴訟制度を次期通常国会で実現するよう求めてきました。

 国民生活審議会消費者政策部会においては、今年4月に「消費者団体訴訟制度検討委員会」が設置され、年末までにとりまとめを行う予定で審議が行われてきました。しかし、ここにきて内閣府は年末までに骨子案をまとめ、再来年の通常国会で上程するスケジュールを突然提案してきました。「検討委員会」での検討はすすんできており、争点は適格要件や差止めの範囲に限定されてきているにも関わらず、次期通常国会上程を見送るのは大変遺憾です。被害の未然防止・拡大防止は、まさに待ったなしの課題です。内閣府は、これまでの議論をふまえ早急に考え方をまとめ「検討委員会」に提案し、制度の早期実現をはかるよう求めます。

消費者基本計画の策定には消費者意見が欠かせません。

 改正消費者基本法の中で、消費者基本計画については「長期的に講ずべき消費者政策の大綱」及び「消費者政策の計画的な推進」に関する基本的な計画を定めなければならないと規定されました。「基本計画」は中長期にわたる計画であり、しかも法規定された初めての計画でもあり、今後すすめられる消費者政策に大きく影響します。

 私たちは、基本計画策定にあたり、以下の点が重要であると考えます。まず、現在の消費者被害の現状をふまえ、その対策は緊急性の高い課題であり、省庁が一体となり緊急にとりくむ課題として計画に盛り込む必要があります。また、各省庁に専任の消費者政策担当部局を設置し、各省庁の消費者施策を強化していく必要があります。その他、消費者教育の見直し・充実する課題、消費者団体の人材育成などの消費者支援策を整備していくことが必要です。

 また「基本計画」は、アクションプランとして、年度の目標が明確にされ、検証に耐えられるものにすべきです。またそのことにより計画の実効性が確保されなければなりません。

 消費者基本計画の策定には、消費者も積極的に参画していくことが大事です。消費者の意見が反映された計画策定がすすめられ、計画が実行されることで、消費者の権利が暮らしの中で保障され活かされるよう求めます。

2004年11月19日
第43回全国消費者大会 全体会

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