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消費者政策分科会報告(要旨)

活かそう消費者基本法 発揮しよう消費者の力

参加団体数 ノーカウント 参加者数 141
 

 午前の部はまず、コープとうきょうから消費者被害の寸劇がおこなわれました。寸劇では、不当請求・SF商法・点検商法を具体的に取り上げ、悪質化・巧妙化した消費者被害の実態及びその対処方法をわかりやすく演じてくれました。続いて「相談現場からの報告」として、全国消費生活相談員協会の林弘美さんと安部弘子さんから、ここ数年消費生活センターに寄せられる相談、特に架空請求・ヤミ金融の相談が急増している実情が報告され、これらが氷山の一角に過ぎないことも指摘されました。その一方で消費者行政の予算が削減される等、消費者行政に更に力を入れていくべき時期にもかかわらず後退が進んでいることへの懸念が示され、自分のまちの消費者行政・消費生活センターなどに消費者が関心を持つことが重要である旨を指摘いただきました。

 午後の部は、消費者基本法・団体訴権・自治体の消費者行政・消費者や消費者団体の役割発揮などをテーマに、長見萬里野さん(全国消費者協会連合会)をコーディネーターに、池本誠司さん(弁護士)・夷石多賀子さん(東京都)・玉本雅子さん(NACS)・磯辺浩一さん(消費者機構日本)をパネリストとしたパネルディスカッションが行われました。ディスカッションの前半で、池本さんから、「消費者基本法の制定など消費者政策の転換は、単なる「保護から自立へ」ではなく、「保護から自立支援へ」であるべきことを再確認し、政府・自治体はその責務を果たしていくべきである。また、団体訴権の制度化の方向性は、消費者団体が具体的に提言・要求していくことが更に重要になる」との指摘をいただきました。

 次に夷石さんから「消費者政策の中で自治体が果たす役割について、法律よりも条例がよりきめ細かく対応していること、よりより消費者行政の実現に向けては消費者が声を上げることが重要である」との点が指摘されました。

 パネルディスカッションの後半では、玉本さん(NACS)から、ADRの取り組みについて報告があり、ADRが魅力ある問題解決の選択肢と成り得るような行政の支援が必要であることも示されたほか、学校における消費者教育に関する報告により、参加者は、消費者自身が情報収集や学習に努め、知識を得ていくことの重要性を再確認しました。磯辺さんからは、消費者機構日本の設立趣旨の説明とともに、消費者団体の役割をより発揮していくために、団体訴権の速やかな制度化及び消費者団体の連携が必要であることのと発言がされました。

 会場から、団体のPRや運営方法、行政との連携の実際に関して質問があり、各パネリストから具体的な取り組みのアイデア含め回答がされました。

 まとめとして池本さんから、行政によるあっせん解決や消費者団体による団体訴権の実践など、消費者トラブル対応の選択肢が増えることは重要だが、そのための基盤整備を進める必要があることが指摘されました。そして、消費者・消費者団体の情報交換が各地で進められる必要があること、消費者問題に関心のない人に情報を伝え、地域のリーダーを育成する講座などの場をつくり広げる必要があること、そのために、そうした場づくりに向けての行政支援の必要性についても強調されました。

 最後に長見さんから、消費者団体の活動を内外共に伝え広げていくこと、新しい担い手を積極的に増やしていく必要があることなどが呼びかけられ、終了しました。
 

分科会アピール

 消費者・事業者・行政が連携し、消費者基本法の理念を実現させよう。消費者運動の担い手の裾野を広げよう。

消費者被害の寸劇 コープとうきょう 全国消費者生活相談員協会
林弘美さん
パネルディスカッション 消費者機構日本 磯部浩一さん