【解説】
国の責務に関する規定については抜本的充実が必要であり、現行規定に変更を加えて第1項とし、下記の趣旨から第2項・第3項を加えています。
第1項については、「消費者の保護」を「消費者の権利の実現の確保」に改めるとともに、基本理念に即した施策の展開が必要である旨を明確にしています。併せて、法目的と同様、各種の施策を通じて消費者の権利の実現を確保することが責務であるという形に規定を改めています。
第2項については、(a)最新の科学的知見の反映、(b)民意の反映、(c)政策決定過程の透明化、(d)国民からの意見聴取、(e)決定に関する説明責任の5点を柱として、施策の展開にあたっての留意事項を定めています。
第3項は、国際的な取組みに関する規定ですが、(a)情報提供や取締りに関して外国政府との連携を強化すること、(b)国際機関等による規格・基準の策定に対して、消費者の意見を反映させることの2点につき、努力義務として定めています。外国政府との連携強化や国際機関等による規格・基準策定への積極的関与はいずれも消費者政策部会報告書においてふれられている事項ですし、国際機関等による規格・基準策定に関する国内での消費者参加については、かねてから取組みが不十分との指摘がなされています。
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