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地方消費者行政の充実・強化を考えるシンポジウム 報告

 全国消費者団体連絡会 地方消費者行政プロジェクトは、47都道府県の消費者行政担当部局にご協力いただいて、今年度も「地方消費者行政の現況調査」を実施しました。地方版消費者基本計画の策定状況や「地域サポーター」の状況、消費生活相談のDX化などを調査し、その結果を都道府県にフィードバックするとともに、今後の地方消費者行政についての検討を深めたいと考えています。

 シンポジウムでは、はじめに都道府県行政調査の分析結果と地方消費者行政の充実のための意見書について報告し、その後、「消費生活相談のDX化」と「地域サポーター」をテーマに意見交換を行いました。

【日時】3月13日(水)14時00分〜16時30分
〔Zoomを活用したオンラインシンポジウム〕

【内容】
1.全国消団連2023年度「都道府県の消費者行政調査」報告
  大森隆さん(全大阪消費者団体連絡会)
2.パネルディスカッション
  意見交換テーマ ①消費生活相談のDX化について
          ②地域サポーターについて(報告:大阪府、兵庫県)
  パネリスト
   内田康太郎さん (消費者庁地方協力課 課長補佐)
   プロジェクトメンバーより
    尾嶋由紀子さん(全国消費生活相談員協会)
    釘宮悦子さん(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)
  コーディネーター
   池本誠司さん(弁護士)

【参加】136人

概要(事務局による要約)

1.全国消団連2023年度「都道府県の消費者行政調査」の分析結果と意見書紹介

大森 隆さん

 2023年度都道府県の消費者行政調査は2023年7月〜9月に実施し、47都道府県から回答をいただきました。

①地方版消費者基本計画については、策定済みが32県で類似の計画を含めると多くの県で策定されています。策定して良かったことは、指標等で効果が把握できること、関係団体との連携が進むこと、審議会や専門家の意見を反映できることなどがあげられています。指標(KPI)は30県のほとんどの県で設定。計画的な消費者施策を実施する上では、地方版の基本計画があった方がよいので、国はすべての県と政令市に働きかけをしてくださいとの意見を提出しました。

②地域サポーターについては、自治体が地域や教育現場等の消費者教育、広報、啓発、見守りなどに関わる消費者の養成・登録等を行なっている状況を調査しました。28県で養成・登録がされていて、そのうちレベルアップ講座の実施は19県ありました。また8県は若者対象の講座も行っています。役割は、啓発資料の配布やトラブルの相談を相談窓口につなぐなど、消費者被害の未然防止や早期発見に関わっていることがわかりました。意見は、地域の消費者団体との連携強化やフルタイムでの消費者行政職員の位置づけを要望しました。

③消費生活相談員(以下、相談員)については、雇用の状況をお聞きしました。39県は直接雇用で全て会計年度任用職員となっています。14県で欠員があり、県レベルでも担い手確保が困難であることが明らかになりました。課題は高齢化や処遇、予算の確保があります。会計年度任用職員の再任用ありは35県。回数制限を超えた場合の選考で軽減措置があるのが1県で、他は初めての方と同じに選考されることかと考えられます。県内区市町村の定足充足状況は、把握している15県の中で定数確保できているのは6県しかありません。相談員の確保は喫緊の課題であるとの意見を出しました。

④消費者教育については、成年年齢引き下げなどに対応した特徴的な取り組みをお聞きしました。 消費者教育コーディネーターは46県で配置されていますが、28県で1人配置になっています。意見は、早い段階からの消費者教育の実践と消費者教育コーディネーターの複数配置のための予算措置を要望しました。

⑤消費生活相談のDX化については、アクションプランで期待される効果が得られるとすれば問題は解消されるかとの設問に17県であまり解消されないと回答されました。不明点が多く具体案を示してほしいとの回答が多くありました。意見は、現場の状況を把握して自治体の意見も丁寧に聞いて進めてほしいということ、消費者への周知と意見の聞き取りもしてほしいと要望しました。

⑥地方消費者行政強化交付金の活用については、メニューの活用が広がったところもありますが、例年使われていないメニューもあり、意見は自治体のニーズを把握して活用しやすい事業メニューにしてほしいと要望しました。

⑦国(消費者庁)への要望については、交付金財政に関する要望では強化交付金の補助率を上げてほしいことや推進事業の活用期間が終わってしまうこともあり、期間延長などの要望が出されていました。

■調査から「地方消費者行政の充実・強化のための意見」を2024年2月21日に関係各省庁に提出しました。(https://www.shodanren.gr.jp/database/500.htm

2.パネル ディスカッション

 パネルディスカッションでは、「①消費生活相談のDX化」「②地域サポーター」をテーマにしました。

 「①消費生活相談のDX化」では、消費者庁地方協力課 課長補佐 内田康太郎さんから、消費生活相談のDX化の目標や準備状況・今後のスケジュールについて説明があり、消費者行政調査のDX化の分析について報告があり、意見交換が行われました。

 「②地域サポーター」については、『兵庫県』『大阪府』の取り組みの紹介があり、意見交換が行われました。

■2023年度「都道府県の消費者行政調査報告書」をデータで提供いたします。詳細は以下です。
https://www.shodanren.gr.jp/Annai/835.htm

以上

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