[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る


電話リレーサービスの制度とは 学習会 開催報告

 「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」に基づく電話リレーサービスの提供が、2021年7月1日に開始されました。このサービスにより、聴覚や発話に障がいのある方が、手話通訳オペレータ等を介して、「手話」「文字」「音声」を通訳することで、通話の相手方との意思疎通を可能にしてつなぐことができます。たとえば、緊急の場合の通報や病院予約、様々な問い合わせ、家族や友人とのリアルタイムでのコミュニケーションなどに活用されます。

 今後、電話リレーサービスが活用・普及していくためには、その目的や利用方法、交付金や負担金の仕組みなどについて、広く国民への理解が必要であるとして開催いたしました。

【日時】6月15日(火)10時30分〜11時30分

【講師】飯村 由香理さん(総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 事業政策課 市場評価企画官 )

【参加】28人

概要(事務局による要約)

■公共インフラとしての電話リレーサービスについて

 聴覚や発話に障がいがある方は、今まで電話など音声を使った手段を使うことができず、家族や友人などの協力で代わりに電話をしてもらっていました。

 電話リレーサービスは、国から指定された提供機関の通訳オペレータが間に介在することで、聴覚障害者等の方が手話や文字チャットなどで表現した内容を通訳オペレータが音声に変換して、相手方との意思疎通を行うことができます。

 これまで、民間事業者などがモデルプロジェクトとして実証してきましたが、聴覚障害者等の方も電話を活用して自主的にコミュニケーションをとっていくことのニーズも高まり、法律が成立し、公共インフラとして7月1日からサービスが開始されます。

◇「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」の概要

 法律のポイントは、国等の責務および総務大臣による基本方針の策定すること、電話リレーサービスの提供の業務を行うものを指定し、交付金を交付する制度を講じることです。

 電話提供事業者に負担金の納付を義務付け、電話リレーサービス支援機関「(一社)電気通信事業者協会」を通じて電話リレーサービス提供機関「(一財)日本財団電話リレーサービス」に交付金を交付してサービスが実施できることになります。また、「(一社)電気通信事業者協会」「(一財)日本財団電話リレーサービス」は総務大臣の指定を受けています。

◇「電話リレーサービス料」について

 このサービスを支える原資は、電話(固定電話、携帯電話等)を利用される全国の方から「電話リレーサービス料」として、1電話番号単価で年間7円、今年7月〜来年1月まで1円/ 月を負担いただくことになります。この負担金は、電話リレーサービス提供機関への交付金となり、令和3年度は約15億4,300万円で、通訳オペレータ等の人件費、システム費などに利用されます。

 「障害者基本法」においては、全ての国民が、障がいの有無にかかわらず、等しく個人として尊重されるものであることと定められています。「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」では、その対応の具体策として情報のバリアフリー確保に向けた制度化を行いました。あわせて国民の責務として、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化の重要性の理解と共に必要な協力に努めることとされています。みなさまのご理解、ご協力をお願いします。

◇電話リレーサービスの利用について

 聴覚障害者等の利用者には登録をすると個別の番号が割り当てられます。通話の主体は利用者(聴覚障害者等)と通話の相手方である聞こえる人です。このサービスは「双方向での利用が可能であること」「24時間365日対応できること」「緊急通話受理機関(110火事・救急,119事件・事故,118海上保安庁)の通報ができること」が特徴です。

 利用には聴覚障害者等の方は、事前に登録が必要です。また、インターネット環境やパソコン、スマートフォンなどの準備が必要です。利用登録は 6 月 1日から行っています。(詳細は「(一財)日本財団電話リレーサービス」や総務省のホームページ等参照。)

以上

≫ 開催案内はこちら