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2012年8月3日(金)開催
「本当に怖い生食による食中毒!!」の様子を報告します

 全国消団連 ホントのことを知りたい!学習シリーズ「ほんとうに怖い生食による食中毒!!」を2012年8月3日(金)プラザエフ5階会議室で開催しました。参加は25名でした。

 まず「−規格基準設定の考え方−」を国立医薬食品衛生研究所 食品衛生管理部長 山本茂貴さんから、腸管出血性大腸菌の特徴や食中毒の発生状況などをふまえ生食用食肉に係る微生物規格基準の考え方のついてお話いただきました。厚生労働省は基本的には牛肉の生食は避けるべきとのスタンスであり、この基準は汚染の高い製品を排除するのが目的ではなく汚染が低い牛肉を生食用と提供する場合の基準であり、生食を推奨するわけでも100%の安全を担保するものでもないそうです。腸管出血性大腸菌O157の牛肉内浸潤と加熱処理による低減効果を丁寧に実験し、その結果今回の基準が出来たとの事です。レバーに関しては肉のような処理方法は見つかっていないので規制することになったとの事です。

 続いて「牛肝臓や肉の生食に潜む危険性」を社団法人 日本食品衛生協会 常務理事 谷 幸さんにお話いただきました。主に肉などで食中毒の原因となるサルモネラ、腸管出血性大腸菌、カンピロバクターの特徴や発症事例などお話いただきました。また生肉の汚染経路について牛肉、鶏肉の場合、そして生肉の危害はどのような状況から起きるのかお話いただきました。豚肉の生食の危害についても詳しく説明していただきました。

 この後参加者からの質疑と意見交換をおこないました。

○:参加者からの質問 ●:講師からのお答え

○たまに食べることがある馬刺しの安全性はどうか。

●馬は大腸菌が見つからなく生食の規格にはなっていません。寄生虫が問題だが、凍らせると寄生虫は死にます。

○卵はからの空気の穴から菌が入り込まないうちに食べれば大丈夫と思っていたが卵の中にもサルモネラ菌がいるのか。

●全ての卵が菌を持っているわけでは無い。1/3000〜1/1000個位 ちなみに1/3000とは1日1個365日10年食べた中の1個にいる位の割合です。

○腸管出血性大腸菌は人から人へ移る経緯はどのようなものか。

●感染者の介護や子どもの世話で感染した人が触った物直接触れ、その手が何らかの形で口に触れることで感染します。空気感染はしません。

○この間のマスメディアの報道の仕方にも問題があったので生食による食中毒も多発してしまったのではないか。危険性をはっきり言うべきだと思うが取り組みはされていたか。

●食品衛生協会では食品事業者への指導をおこなっているので、チラシを無料配布している。7月からは豚を出す店があるようだが、何故かも伝えて豚も駄目だと啓発しようと思っている。

●薬事食品衛生審議会 食品衛生部会長として厚生労働省には通知等徹底するように言っている。マスメディアへのはたらきかけもやらなければいけないと思っている。

○厚生労働省はレバーの食品照射によう実験を始めるようだが、今までの研究から安全性の推測はできないのか。

●生レバーを食べるのを許可するための実験ではない。免疫不全の患者の病院食として照射食品を提供するかもれない時の基礎的データにもなる。殺菌方法としての新たな可能性がみつかるかもしれないとのことで行う。

 開会前に参加者にレバーの生食の経験を問うアンケートなども実施し、大変有意義な意見交換がおこなわれました。

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