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全国消団連主催

「食品の安全確保とHACCP(ハサップ)の役割について」概要報告
 

 2011年3月9日 広島市のメルパルク広島において“食品の生産・流通の現場で取り組まれるHACCPは具体的に何をどうすることなのか”、日本生協連商品本部本部長スタッフで工場点検専任チームチームリーダーの佐藤邦裕(さとうくにひろ)さんを講師にお招きして学習会をおこないました。参加者は26名でした。

 講師の佐藤さんは日本生協連でお取引先の工場点検のスペシャリストとして長年勤務されています。消費者にとって「HACCP(ハサップ)」と言われても、工場では何をどのようにするのか想像がつきませんが、工場点検で実際使用する「QC工程図(HACCPのPPとCCPを付記)」のサンプルを用いわかり易く説明いただきました。

 日本生協連品質方針には「コープ商品の取引先・製造元と、緊張感ある協力関係づくりに務め、共に学び、共に改善していきます。」(のなかの「緊張感ある協力関係づくりに務めは」は餃子事件以降に付け加えられたそうですが)と書かれていて、工場と良い関係を保ちながら工場点検をおこなっているとのことでした。

 「QC工程図」はコープがお取引先に約束した商品を作ってもらう設計図のような物だそうです。縦軸には原料発注から製品検査に至るまでの行程が書かれ、横軸には予想される危害・被害、その隣に防除手段・重要管理事項、その隣に管理事項・基準・許容限界、その隣に測定・検査頻度・方法と続き、この工程図どおりに作業が行なわれれば、食べても人体に腹痛など病気にならない商品が出来上がります。この工程図どおりの作業がHACCPということになるそうです。しかし実際の商品は衛生管理ばかりでなく美味しくなければ売れないので、両者のバランスが重要とのことです。

 工場点検はあらかじめ通知しておこなうそうです。それでいいの?と思われるかもしれませんが、そうして伝票や帳票類の整理をうながしておいて、実際にうかがってから日付と商品を指定し、工場の点検作業中に指定した日付の商品に私用した原材料の伝票・帳票をそろえていただくそうです。そうやって日常的に伝票を整理してもらうことが重要で、商品に何かあった時にも素早く対応できるとの事です。点検が終わったあとの工場とのやり取りも詳しく教えていただきました。いわば問屋である日本生協連が、本来自分で作る商品を委託して作ってもらっている工場との関係を良好に保つことで、「QC工程図」どおりの商品、つまりHACCPで作られるかを知ることが出来ました。

 講演の後、「HACCP認証を受けるにはお金がかかると聞いている。中小の企業でもHACCPに準じた管理を行なって欲しいが、消費者はどうしたらそのような取り組を知ることができるのか?」という質問が出されました。

QR工程図を説明する佐藤さん 講師の佐藤さんは、「1995年に日本でHACCPを導入した時に政府主導で取り入れられたのでお金がかかるものになってしまったが、HACCPは認証を取ったら安全ではなくて、認証を取った時がスタートであり、守ることが大切です。今まで事故無く食品製造してきた工場はHACCPがやれているのだと思います。」と返答されました。

 アンケートによると、全員の方にHACCPをご理解いただけました。

【関連ページのリンク】

 食品産業センター 消費者向けHACCPページ
 http://www.shokusan.or.jp/index.php?mo=topics&ac=TopicsDetail&topics_id=579

2011年3月全国消団連は「“HACCP”(ハサップ)ってご存じですか?」
パンフレットを作成しました。

以下のPDFファイルをダウンロードしてご活用ください。

「“HACCP”(ハサップ)ってご存じですか?」パンフレット 【PDF 6,433KB】

この件のお問合せは全国消団連事務局03-5216-6024まで

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