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ほんとのこと知りたい学習シリーズ・学習会
「食のリスクを考える−氾濫する「安全・安心」をよみとくためには」
を開催しました
 

 全国消団連は、去る7月7日に「ほんとのこと知りたい学習シリーズ」の第三弾として、「食のリスクを考える−氾濫する「安全・安心」をよみとくためには」を開催しました。

 誰でも食品の安全については関心を持っていますが、多くの情報が氾濫しており、情報を精査するのが難しい状況にあります。そして国の「食料・農業・農村基本計画」と「消費者基本計画」に「食品安全庁」設置に関する項目も設けられました。消費者にとって望ましい食品安全行政を考えるにあたり、改めて「食の安全とは何か」について学び、社会の中に氾濫している食の安全に関する様々な情報をよみとくために学習することが必要と考えて、今回、学習会を開催しました。

 消費者団体や事業者など、合わせて90名の方にご参加いただきました。

 講師は、リスク分析の観点から、食にまつわる情報を分析し提言されている(独)産業技術総合研究所安全科学研究部門長の中西準子さんをお迎えしました。

 時・所:2010年7月7日(水)13:30〜16:00 プラザエフ地下2階 クラルテ / 参加90名

 講演では、ご自身の研究歴をご紹介いただいた上で、リスク論の概要についてお話いただきました。続いて、ダイオキシン問題など実際に研究に携わられた事例をもとにしながら、「リスク」と「ハザード」の違いの説明、「リスク」の本質や評価の仕方、管理手法についてご説明いただきました。そしてリスクが明らかにされない理由や、一人一人の消費者が食に関わるリスクと向きあう必要性などをご講演いただきました。講演終了後、会場から寄せられた質問、正しい情報へのアクセスの仕方やBSE対策の問題点、死の意味合い、食品安全庁のあり方についてなどについてお答えいただき、会を終了しました。

 参加者にはアンケートにご協力いただき、次のような回答をお寄せいただきました。

  • リスクの考え方について、勉強になりました。「安全を犠牲にすることもある」とはおどろきました。
  • 「リスク」の考え方は社会のあり方と少なからずつながっている(リスク/ベネフィット:目的)と思いました。主体的に生きる姿勢が「リスク」の判断と関心につながると思いました。
  • 極めて面白かった。実際に世間の(非)常識と戦ってきた研究者なので、迫力がある。日頃考えていた食品リスクゼロへの疑問に論理的な裏付を短時間で与えていただいたことに感謝します。
  • 公害問題で活躍されていた中西先生のお名前を久方ぶりに拝見し、参加しました。参加してよかった!のひとことに尽きます。先生の実験データを豊富な実績に裏づけられた説明に十分に納得しました。特に、「意外に日和見の市民運動」という言葉に共感します。市民運動も、もっと適格なプロを仲間に入れ、政府発表、マスコミ発表とは違った独自の理論を基に行動していく時期と考えます。

 全国消団連は今年度もほんとのこと知りたい学習シリーズを開催していきます。

中西さんの話を熱心に聞く参加者

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