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【意見提出】12月8日「公益通報者保護法第11条第1項及び
第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に措置に関して、
その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」に対する意見

 「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針の一部を改正する告示(案)」に関する意見募集が行われています(締め切り:12月9日)。

 公益通報者保護法の一部を改正する法律が、今年6月4日に成立しました。公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第11条第4項では、同条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めることとされています。消費者庁では、本改正を踏まえ、「公益通報者保護法第 11 条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針の一部を改正する告示(案)」を作成しました。

 全国消団連では、以下の意見を12月8日に提出しました。

2025年12月8日
一般社団法人 全国消費者団体連絡会

「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に
基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を
図るために必要な指針」に対する意見

意見1 第2 用語の説明 p3 31行目〜
【意見】

 「不利益な取扱い」とは、〜の例示として、「・ 精神上・生活上の取扱いに関すること(事実上の嫌がらせ等)」がありますが、嫌がらせの内容や程度はそれを受ける個々人で異なり、実態は曖昧で判断が難しいと考えます。通報者を特定しないことは言わずもがなですが、実際の職場では「誹謗中傷を受ける」「他の職員からの分断と孤立化」「担当業務外し」「過重業務の付加」「力量に見合わない業務への担当替え」「業務も含む職場生活上の必要な情報からの遮断」など、様々な内容の発生が考えられます。
 解説などに、想定されうる具体的な事例をより多く記載することで、事業者が予防的に対応すべき内容を明確化できると考えます。

意見2 第4
 内部公益通報対応体制の整備、労働者等に対するその周知その他の必要な措置
  3 (3) 労働者等に対する周知に関する措置等 p6 21行目〜
   (5) 従事者に対する教育に関する措置   p7 25行目〜
【意見】

 労働者等に対する周知について様々な事項の記載があります。公益通報者保護法の十分な理解には、事業者トップからの繰り返しの発信と共に、仕組みや指針の内容についての研修を定期的に実施することが必要です。公益通報者保護法が円滑に運用されることで、コンプライアンス経営は一層強化されると考えます。
 また、公益通報対応業務従事者においては、守秘義務に加えて、積極的傾聴など、様々なスキルが求められると考えられます。
 そこで、いずれの措置においても、指針または解説により具体的な内容を例示する必要があると考えます。

意見3 全体について
【意見】

 公益通報は実名での通報だけに限定はしていません。匿名での通報では調査などに苦慮されることはありますが、通報者が匿名で通報できることで、通報のしやすさがあるかと考えます。
 消費者庁の「公益通報者のQ&A」の質問項目の最初がまさしく「匿名」での通報で、その記述は以下の通りです。

Q1 匿名で公益通報をすることはできますか。

A 本法は対象となる通報を顕名(実名)の通報に限定しておらず、匿名であっても、本法に定める要件を満たしていれば公益通報をすることができます。
 ただし、例えば、通報先が匿名の公益通報者との連絡手段を有していないような場合には、通報先から調査結果や是正結果の通知を受けられないため、匿名で公益通報を行う際には、通報先からの連絡を受けられるようにするなど留意が必要です。
 なお、実際に不利益を受けた場合に本法の規定による保護を受けるためには、裁判所等で自らがその公益通報をした者であることを明らかにすることが必要です。

 通報者の安全が守られ、安心して通報できるために、匿名通報を可とする場合の具体的な要件を指針の中に明記して、事業者の理解促進に資することが必要であると考えます。

以上