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「公益通報者保護法の一部を改正する法律案」の 「公益通報者保護法の一部を改正する法律案」が本日(2025年6月4日)参議院本会議にて、賛成多数で可決されました。 全国消費者団体連絡会では、「衆・参議院:消費者問題に関する特別委員会委員、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長、国民生活センター理事長」に以下の声明を提出しました。 2025年6月4日 「公益通報者保護法の一部を改正する法律案」の成立にあたって 一般社団法人 全国消費者団体連絡会 本日(2025年6月4日)参議院本会議にて、「公益通報者保護法の一部を改正する法律案」が賛成多数で可決されました。 全国消費者団体連絡会では、公益通報者の保護は国民生活の安定や社会経済の健全な発展に資するものであり、制度の実効性を確保するためにも、今通常国会での成立を強く求めてきました。今国会での成立にあたり、衆議院・参議院消費者問題に関する特別委員会委員の皆様、消費者庁など関係各位のご尽力に深く感謝いたします。 今回の改正では、「事業者の体制整備の徹底と実効性の向上」「公益通報を理由とする不利益取扱い(解雇・懲戒)に対する立証責任の転換と刑事罰導入」「フリーランス等の公益通報者の範囲拡大」「公益通報を阻害する行為の禁止」など、前回改正から通報者保護の強化に向けた積み上げが行われたと受け止めています。 また衆議院の論議で、附則9条の検討の時期について、当初案の「5年」から「3年」に改めることができましたことは、大変有意義な改正として感謝申し上げます。 そのうえで、今後に向けては、衆議院・参議院の附帯決議に示されている事項の早急な具体化検討に着手されることを要望いたします。 特に、公益通報を理由とした通報者への不利益な取扱いの中で「配置転換」の立証責任の転換と刑事罰の適用について、衆議院、参議院の中で多くの論議がされましたが、改正法に反映されませんでした。内閣府告示第118号『公益通報者保護法に基づく指針』の令和3年10月 消費者庁発行の指針解説において、事業者が講ずべき措置や不利益取扱いの具体例が記載される中で、「不利益な配展」が例示されています。通報者の多くは業務のない部署への異動や嫌がらせなどの不利益取扱いを受けている実態があります。現実に行われている不利益取扱いの現状に鑑みて、通報を理由とした不利益な配置転換についても罰則を設け、立証責任を事業者側に転換するよう、改めることが必要です。 加えて、通報しようとする事実の内容の正しさを証明するためには、必要な証拠資料の持ち出しをすることが必要です。通報のための資料収集・持出し行為が免責されるよう規定を設けるべきであること、そして、公益通報者の探索行為についての罰則規定の導入など、公益通報者保護制度検討会報告書に記載された課題についても早急に検討する必要があります。 この間の改正検討の中で、広く公益通報制度自体についての理解が進んでいないことも明らかになりました。今回の公益通報者保護法の改正についてより広くより分かりやすい内容として周知を行うことを求めます。 通報者に過度の負担を強いることなく、また、事業者自らが通報に正しく向き合って不正の発生や拡大を抑止して、被害防止が図れるよう、本声明で申し上げた内容の検討を行い、次回の改正につなげていただけるよう、心より要望いたします。 以上 |