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「個人情報保護法 いわゆる3年後見直しの改正に向けた意見」を提出しました 個人情報保護委員会では、個人情報保護法のいわゆる3年後見直しに向けた論議が行われています。 全国消団連では、改正に向けた検討会に出席し、課徴金制度導入、差止請求制度と被害回復制度の創設などを法改正に盛り込むこととして昨年12月に報告書に整理し、個人情報保護委員会でも確認されました。 その後、個人情報保護委員会は1月に今後の検討の運び、2月に個人データ等の取扱いにおける本人関与に係る規律の在り方について整理して公表しました。 ※個人情報保護法の制度的課題に対する考え方(案)について 検討会でとりまとめた課題について、早期の具体的検討開始に着手するべきと考えます。 また、個人データ等の取扱いにおける本人関与に係る規律の在り方については、飽くまで本人同意が前提であるべきところ、唐突に本人同意と漏えい時の本人通知に関して実施しない方向での論点提示がされましたが、公表内容に具体性が乏しく、同意不要とする根拠が不明確であり、果たして個人の権利利益が守られるのか疑問を感じざるを得ませんでした。 以上の点から、全国消団連意見として、以下の文書を3月10日に個人情報保護委員会に提出いたしました。 2025年3月7日 個人情報保護法 いわゆる3年後見直しの改正に向けて 一般社団法人 全国消費者団体連絡会 1.2025年1月22日付文書「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討」の今後の検討の進め方について に関しての意見 「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討」にあたっては、昨年6月にパブリックコメントが募集され、その後「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会」で有識者、事業者団体、消費者団体による検討が行われ、「課徴金と団体による差止請求制度や被害回復制度」が論議されて「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会報告書」にまとめられました。 加えてその他の主要論点に関しても、事務局によるヒアリングの形式をとって各ステークホルダーとの対話による議論が行われてきました。 特にこれまでスタークホルダーとして位置づけられてこなかった消費者・消費者団体を検討の場に加えて個人情報保護法改正を論議したことは重要な転換です。 個人情報保護委員会本体、「検討会」、ヒアリングなどで、積み上げてきた論点を全面的に活かし、一日も早く法改正の検討に着者することを心より求めます。 更には、個人の権利利益を傷つけ侵害するような悪質な事案には、厳罰化が必要です。例えば、特定商取引法では刑事罰が軽いことから、一度罰を受けた事業者が異なる会社を立ち上げて悪質な事業を再開する、のれん分けのような形で事業が拡大するなどの事例が後を絶ちません。罰金として300万円支払ったケースでも数十億円に及ぶ不当利得は手元に残ったままという状況です。いわゆる3年改正検討会報告書でも強く打ち出したように、個人情報を不当に取り扱ったものが累犯を起こさないよう、課徴金制度を導入すること、適格消費者団体による差止請求制度、更には被害回復制度を創設することは必須です。 2.2025年2月5日公開の「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方について」の意見 原則、個人情報は本人の同意の下で活用するべきもので、その管理も本人が把握できることが必要であると考えます。 データの利活用は必要だと考える一方で、大前提としては、個人の権利利益が尊重擁護され、本人が個人情報の管理に関与できるようにすることは必須です。 今回の「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方について」では、「1 個人の権利利益への影響という観点も考慮した同意規制の在り方」「2 本人への通知が行われなくても本人の権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合における漏えい等発生時の対応の在り方」と区分けし、本人同意と漏えい時の本人通知に関して、実施しない方向での論点提示がされました。そして今回の発表を受けて、AI開発や医療分野のデータ活用について一部同意不要として個人情報保護法を改正することを決めたと読み取れる報道がなされました。 このことは、提示された規律について、具体的な例示が不足していることに由来すると考えます。「権利利益を侵害するおそれは少ない」と記載されても、詳細な例示がなければ、果たしてそれが真実なのか否か、素直に受け止めることはできません。 また「3 心身の発達過程にあり、本人による同意等の規律が必ずしも期待できない子供の個人情報の取扱い」については、法定代理人を位置づけ、その同意によって16歳未満の個人情報の活用を規律するようにしています。法定代理人をだれにするのか、仮に親権者が代理人となるのであれば、その妥当性をどのように考えるのかなど、具体的で精緻な論議が必要です。 以上 |