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【意見提出】1月30日 電力会社5社の電気料金値上げ認可申請に係る
「国民の声」に意見を提出しました

 2月16日、電力会社2社に対し、意見を提出しました。

 食品を始め、生活用品全体の価格が上がっており、消費者のくらしは極めて厳しくなっています。生活に欠かせない電気の料金についても、燃料費調整制度などにより、一昨年の秋以降すでに家庭向け電気料金は25〜30%値上げされています。今回東北、北陸、中国、四国、沖縄、北海道、東京電力エナジーパートナー(東京EP)から規制料金の値上げ申請がありました。これはさらなる値上げとなるもので、国民生活に与える影響はきわめて大きいものがあります。

 1月6日に全国消団連で開催した電気料金値上げについての学習会では、参加者からは燃料費高騰による値上げに対して一定の理解を示す一方、「値上げ幅を極力抑える企業努力を求めたい」「価格決定の構造が複雑でわかりにくい」などの意見のほか、「エネルギー自給率向上や地域貢献といった生活に欠かせない電気を扱う企業としての姿勢を問いたい」など、さまざまな意見がありました。

 現在、電力・ガス取引監視等委員会料金制度専門会合において審査が行われています。規制なき独占を防ぎ、適正な競争関係が確保されるまで続けられる規制料金(経過措置料金)については、透明性を持ち消費者が納得できる形での審査が必要です。学習会で提示したポイントをもとに意見をまとめ、意見募集されている東北、北陸、中国、四国、沖縄の5社に対しては1月30日に、北海道、東京EPの2社に対しては2月16日に意見を提出しました。

○○電力株式会社の電気料金値上げ認可申請に係る「国民の声」

(○○:東北、北陸、中国、四国、沖縄、東京EP、北海道)

 食品を始め、生活用品全体の価格が上がっており、消費者のくらしは極めて厳しくなっています。生活に欠かせない電気の料金についても、燃料費調整制度などにより、一昨年の秋以降すでに家庭向け電気料金は25〜30%値上げされています。今回の値上げ申請は、そこからさらなる値上げとなるもので、国民生活に与える影響はきわめて大きいものがあります。

 全国消団連で開催した電気料金値上げについての学習会では、参加者からは燃料費高騰による値上げに対して一定の理解を示す一方、「値上げ幅を極力抑える企業努力を求めたい」「価格決定の構造が複雑でわかりにくい」などの意見のほか、「エネルギー自給率向上や地域貢献といった生活に欠かせない電気を扱う企業としての姿勢を問いたい」など、さまざまな意見がありました。

 規制なき独占を防ぎ、適正な競争関係が確保されるまで続けられる規制料金(経過措置料金)については、透明性を持ち消費者が納得できる形での審査を行ってください。

(提出先:東北、北陸、中国、四国、沖縄、東京EP、北海道)

1.値上げ申請をそのまま認めるのではなく、経営効率化でカバーできる部分はないか、社会的に見て妥当性を欠く値上げはないかなど、精緻で納得感のある査定を進め、値上げ幅をできるだけ圧縮してください。

 今回の値上げ申請理由は、火力発電の燃料高騰によるものです。高騰によるコスト増をそのまま消費者に転嫁するのではなく、一定の経営効率化があってしかるべきです。審査の早い段階で各社から経営効率化の取り組みが示されていますが、精査の上、できるだけ値上げ幅を圧縮してください。

(提出先:東北、北陸、中国、四国、沖縄、東京EP、北海道)

2.値上げの実施に際しては、必要な配慮を求めます。

 今回の値上げ申請は、政府が電気料金の高騰を抑制するために予算化した7円/kwh(低圧契約の一般家庭・企業など向け)を超え、かつ実施期間が限られているため、政府の対策があってもなお値上げ後の負担が大きくなります。特に低所得者及び生活困窮者へは十分に配慮するよう求めます。

(提出先:東北)

3.基本料金の値上げの理由について明確な説明を求めます。

 今回の値上げ申請理由の大きな部分を占めているのは、燃料費の高騰によるものと認識しています。燃料費ではない基本料金の値上げの理由とその必要性について明確な説明を求めます。

(提出先:東北、北陸、中国、四国、沖縄、東京EP、北海道)

4.今回の値上げ後に、燃料費が下がった場合に、電力量料金を下げる仕組みについての説明をお願いします。

 今回の値上げ申請理由の大きな部分を占めているのは、燃料費の高騰が激しく、燃料費調整制度の上限値に張り付いたために、それを越える部分を電力会社が負担していることによるものです。今回の値上げにより電気料金の上限が上がることになりますが、燃料費が下がった場合にはどうなるのでしょうか。燃料費の下落に合わせて電気料金が下がる仕組みについて、下げ幅はどの程度で下限はあるのかなどについても説明してください。

(提出先:東北、北陸、中国、四国、沖縄、東京EP、北海道)

5.燃料費高騰の影響をできるだけ抑えるため、これまでの再生可能エネルギーへの取り組み総括と今後の導入・普及拡大を求めます。

 東京電力の福島第一原子力発電所の事故以降、火力発電の比率が一時的に高くならざるを得ない中で、国の再生可能エネルギーの最大限導入の方針のもと、電力会社は自らの再生可能エネルギー導入にどれだけ取り組んできたのでしょうか。火力発電への依存を続けてきた結果、今回の燃料費高騰に対処しきれなくなったということはないでしょうか。

 燃料費高騰による電気料金への影響緩和や、エネルギーの安定確保への寄与なども期待できる再生可能エネルギーの導入・普及拡大を進めてください。

(提出先:沖縄電力を除く各社(東北、北陸、中国、四国、東京EP、北海道))

6.原子力バックエンド費用(核のごみ処理)はじめ、原子力発電にかかわる費用が大きく増加している理由と今後の見通しの説明を求めます。今後も増加傾向が続く見通しであるならば、原子力発電にコストをかけて使い続けることを見直すべきと考えます。

 福島第一原発事故後に、原子力発電が安全対策などによりコスト高となり、原子力バックエンドが見通せないこととあわせると、中長期的には原子力発電依存は望まれません。今回の審査に当たっても、原発の利用の検討には慎重を期すべきと考えます。

 なお、前述の電力会社への経営効率化要求は、原子力発電所の運転期間の延長など原子力発電の利用推進を求めるものではありません。原発の利用については値上げ審査とは別に、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、十分な国民的議論のもとに進めるべきです。

(提出先:東北、北陸、中国、四国、沖縄、東京EP、北海道)

7.電気料金の値上げに際し、需要家への事前周知を徹底するとともに、わかりやすく伝えるよう求めます。

 電力会社のホームページやweb検針票の照会ページといった、需要家が目的をもって調べなければ情報が入手できない形だけではなく、郵便やチラシ、ダイレクトメールなど確実に需要家へ情報が届く方法での周知の実施を求めます。

 電気料金を通して徴収する託送料金の変更がある場合も、そのそれぞれの料金変更の内容や電気料金への影響(値上げ、値下げ)など、わかりやすく伝えるよう求めます。