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7月4日に「内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、
経済産業大臣、消費者庁長官、内閣府消費者委員会委員長、
国民生活センター理事長」に提出しました。

2022年度 PLオンブズ会議報告会提言

ネット時代の製品安全を考える提言

 私たちは、昨年の報告会において、インターネットでの取引による消費者安全被害の状況を明らかにし、外国の裁判例や立法の取り組みなどを紹介して問題意識を持ちました。ネットで取引される製品についても、消費者の安全が確保される製品であることが基本です。しかしながら、ネット取引が激増する中、消費者の安全を脅かす製品も取引されています。

 今年の報告会は、デジタルプラットフォーマーにおける取組みの現状や行政の取組みを紹介して、残された課題を抽出し、更なる取組みを考える足がかりにしたいと考えました。

 本日の報告で、危険な製品が市場に流通しないようにするため、行政機関による制度的な対応やデジタルプラットフォーマーの自主的な取り組みも行われていることがわかりました。しかしながら、こうした取り組みにも限界があります。

 さまざまなプラットフォームサービスをみると、例えば、平成27年に紐付きの子供服を規制するJIS規格が制定され、経済産業省などによる注意喚起もなされているにもかかわらずネット販売商品に並んでいる事例など、危険な製品が販売されている実態があります。ネット取引では、販売業者や製造業者が海外の詳細不明な業者であることも少なくなく、購入にあたっては消費者自らも注意していくことが必要です。

 また、こうした現状を改善するには、消費者が、ネット取引で購入した製品でたとえ小さなことでも事故の経験や不具合を発見したら、その情報を、デジタルプラットフォーマーや行政機関に提供することが重要です。デジタルプラットフォーマーや行政機関なども、情報を求めています。消費者ホットライン(188)をはじめ、最寄りの消費生活センターや国民生活センターなどの情報収集窓口を利用して事故情報を届けましょう。

 そうして収集された情報について、消費者庁、経済産業省等の関係省庁、さらには諸外国などとの情報共有がなされ、被害の未然防止のための事業者への指導、製品安全誓約(Pledge)などの自主規制の確立により、危険な製品が出品されないようにすることや、消費者が安全な製品を選択できるような情報がしっかり提供されていくことが求められます。

 さらには、現状で空白地帯になっているネット取引での消費者被害の救済が、漏れなくなされる法改正や立法へとつながる仕組みも作って行くことが望まれます。

 本日の報告会では、このように検討すべき課題がいくつも見えてきました。
 私たちPLオンブズ会議は、関係者が集まって、この問題を考えるための組織を、事業者、行政、消費者が一緒になって立ち上げ、早急に検討を開始することを提言します。

2022年7月1日
全国消費者団体連絡会
PLオンブズ会議