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「バイオマス発電における新規液体燃料に関する意見」
を提出しました

 2019年4月より、経済産業省の総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 バイオマス持続可能性ワーキンググループにて、FIT制度におけるバイオマス発電の新規燃料として、大豆油・キャノーラ油・落花生油等の植物油の利用についての検討が始まっています。

 消費者団体として、環境面や食料等との競合の観点から、上記のような植物油のバイオマス燃料利用(特に、FIT制度として優遇される燃料利用)は認められません。

 全国消団連では6月25日、以下の意見書を提出いたしました。

提出先:経済産業大臣、調達価格等算定委員会委員長、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業部会新エネルギー小委員会バイオマス燃料持続可能性ワーキンググループ座長、農林水産大臣、消費者委員会委員長

一般社団法人全国消費者団体連絡会

バイオマス発電における新規液体燃料に関する意見

 2018年、2019年の経済産業省の調達価格等算定委員会で、FITのバイオマス液体燃料として、パーム油・大豆油・キャノーラ油等の植物油を加えるかについて検討されました。ここでの検討を受けて2019年4月「総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 バイオマス持続可能性ワーキンググループ」が設置され、更に検討が重ねられています。

 電気は私たち消費者の生活になくてはならないものです。一方で、食料問題は、世界の人口増加に伴い、自国の利益だけで考えることのできない重要な課題です。今回の検討は電気料金と食料問題という消費者のくらしに密接に関わるテーマであることから、消費者団体として以下の通り意見を申し述べます。

1.植物油を発電のために利用することには反対です。

 バイオマスの新規液体燃料として検討されている植物油は、食料と競合するものです。食料問題を考慮すると、発電のために利用することには反対です。

 また、食料そのものとの競合に加え、栽培においては食料向けの農地への浸食、畜産・水産業で利用される飼料との競合も考えられ、その影響は広範囲に及ぶものと考えます。

2.輸入を前提としたバイオマス燃料は原則としてFITの対象にすべきではありません。

 再生可能エネルギーはその土地にある自然資源を使うのが原則です。地域活性化や、持続可能性が期待できる国内のバイオ燃料調達の推進を優先すべきで、燃料の輸入を増やす施策はできるだけ避けるべきです。少なくともFITの対象にすべきではありません。

以上