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「『原子力損害賠償制度の見直しについて』の 内閣府原子力委員会では、今後発生し得る原子力事故に適切に備えるための原子力損害賠償制度の在り方について「原子力損害賠償制度専門部会」にて検討を行い、このたび「原子力損害賠償制度の見直しについて」をまとめました。この案について意見募集が行われています。しかしこの案には、ほぼ従来の制度が踏襲されており、福島第一原発事故を踏まえた見直し案とはなっていない、現行の原子力損害賠償支援機構法のしくみに基づき、実質的に青天井に国民負担が発生・継続する仕組みとなっている、といった課題があり、全国消団連では9月6日に下記の意見を提出しました。 【提出先】 内閣府 原子力政策担当室 【意見1】 ・該当箇所 3.(1)賠償資力確保のための枠組み ・意見 内容 「原子力損害の賠償に関する法律」では、原子力事業者が事故前に保険などで備える賠償金(損害賠償措置額)を最大1200億円としているが、これを大幅に引き上げるべきである。 ・理由 東京電力福島第一原発事故の賠償額は、原子力損害賠償法で規定されている金額を大きく超過している。 措置額を超えた賠償については、原賠・廃炉機構制度による各原子力事業者の一般負担金・特別負担金のほか、国も原子力損害賠償・廃炉等支援機構への出資や交付国債のかたちで援助している。しかしその原資は国民の税金であり、結局は国民が負担する形となっている。 見直し案では事故前の措置額が据え置かれているが、事故の経験を踏まえるならば、この額は大幅に引き上げるべきである。 【意見2】 ・該当箇所 3.(1)賠償資力確保のための枠組み ・意見 内容 「原子力損害賠償支援機構法」は、原子力事業者が納付する特別負担金・一般負担金を電気料金に転嫁できる旨を規定しているが、この規定は廃止すべきである。 ・理由 原子力賠償制度の見直しにおいて重要なことは、原子力事業者が事故に対する責任を全うするために必要なしくみを創ることである。 しかしながら、現在の制度では、原発事故に対する備えに加えて、事故後に判明した膨大な賠償不足分についても、電気料金への転嫁という形で国民に付け回ししている状態である。さらには原発の廃炉費用を託送料金に上乗せする制度も設けられるなど、国民負担が青天井に膨らみかねない状況にある。電気料金で負担金を回収できる現行のしくみは見直すべきである。 以上 |