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「個人情報の保護に関する基本方針の
一部変更案(新旧対照表)」に関する意見を提出しました。


個人情報保護委員会事務局(個人情報保護担当) 御中

「個人情報の保護に関する基本方針の一部変更(新旧対照表)」に関する意見

[氏名] 一般社団法人 全国消費者団体連絡会

[住所] 東京都千代田区六番町15 プラザエフ6F

[電話番号] 03-5216-6024

[FAX番号] 03-5216-6036

[E-mail] webmaster@shodanren.gr.jp

 個人情報の保護に関する法律第7条第1項において、「政府は、個人情報の保護に関する施策の総合的かつ一体的な推進を図るため、個人情報の保護に関する基本方針を定めなければならない」と規定されています。2005年の施行後10年余りの間に、事業活動のグローバル化や事業者によるパーソナルデータを含むビッグデータの利用が進むなど、消費者や事業者を取り巻く環境は大きく変化してきています。これらの環境の変化に対応し、消費者の個人情報の保護を図りつつ、事業者によるパーソナルデータの円滑な利活用を促進させ新産業・新サービスを創出するための環境の整備を行うことを目的とし、2015年に個人情報保護法が改正されました。「個人情報の適切な保護こそが適切な利活用を促進する」という視点に立って本基本方針を適切に記述していただきたく、意見を申し述べます。

【該当箇所】一部変更案(新旧対照表)のP.2 1−(1)7行目

【意見】「公益」の用語は再考すべきです。

【理由】変更案では「個人の行動・状態等に関する情報については、高度な情報通信技術を用いた方法により、個人の利益のみならず公益のために活用することが可能となってきており、その利用価値は高い」という記述が示されています。しかし、「公益」という概念は個人によって解釈の幅があり、基本方針に記述する用語としては適切でないと考えます。

【該当箇所】一部変更案(新旧対照表)のP.5 1−(2)①10行目

【意見】修正の必要はなく、現行の記述を残すべきです。

【理由】変更案の「個人情報の保護に関する施策を推進するに当たっては、個人情報の保護と適正かつ効果的な活用のバランスを考慮した取組が求められる」のうち、「個人情報の保護と適正かつ効果的な活用のバランス」という表現は、個人情報の適切な保護こそが適切な利活用を促進するという考え方からすると、適切性を欠くと考えます。現行の「個人情報の保護に万全を期すことこそが、個人情報の利用に関する社会の信頼を高め、ひいては、国民一人一人がその便益を享受できる健全な高度情報通信社会の実現を可能とするものである」という記述が個人情報保護の捉え方として妥当なものであり、変更の必要はないと考えます。

【該当箇所】一部変更案(新旧対照表)のP.8 2−(2)①12行目及びP.24 6−(3)②7行目

【意見】「個人情報の保護と適正かつ効果的な活用のバランス」という表現の修正を求めます。

【理由】P.10 2−(2)③「広報・啓発・情報提供等に関する方針」の項においては、保護と利活用のバランスという言葉を使わずに、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする法の考え方が正しく理解され、」と記述されています。これに対し、上記2か所では「個人情報の保護と適正かつ効果的な活用のバランスを考慮した取組」という表現が用いられていますが、「個人情報の適切な保護こそが適切な利活用を促進する」という視点に基づいた表現に修正することを求めます。

【該当箇所】一部変更案(新旧対照表)のP.5 1−(2)②項目および第1段落

【意見】現行の記述を維持すべきです。

【理由】「法制定から年月が経過したことを踏まえ、「過剰反応」を「正しい理解」という言葉に書き換え」という説明がなされ、変更案からはいわゆる「過剰反応」という表現が削除されていますが、かえって趣旨が不明確になっています。現行の記述の方が分かりやすく、維持すべきと考えます。

【該当箇所】一部変更案(新旧対照表)のP.15 3−(1)

【意見】いわゆる「過剰反応」についての記述が削除されていますが、現行の「いわゆる「過剰反応」が一部に見られることを踏まえ、地方公共団体においても、法の趣旨にのっとり、条例の適切な解釈・適用を行うことが求められる。」の記述を残すことが必要と考えます。

【理由】法改正が施行されても、いわゆる「過剰反応」が全くなくなるとは考えられません。地方公共団体においても、法の趣旨にのっとり、条例の適切な解釈・適用を行うことは引き続き求められると考えます。