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日本の温室効果ガス削減目標について意見を提出しました

「日本の約束草案(政府原案)」対する意見

一般社団法人 全国消費者団体連絡会(2015.6.26提出)

(該当箇所;全体)

【意見1】 持続可能な未来を切り開くため、野心的な目標設定を行った上で、その実現に向けた政策を総動員して進めて下さい。

<理由>

 今回の約束草案は「エネルギーミックスと整合的なものとなるよう」「裏付けのある対策・施策や技術の積み上げによる実現可能な削減目標として」策定されており、透明性・具体性が高いとされる反面、野心的とは言えない内容に止まっています。

 算定の基礎としたエネルギーミックスについても同様に「安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合について達成すべき政策目標を想定した上で、政策の基本的な方向性に基づいて施策を講じたときに実現されるであろう将来のエネルギー需給構造の見通し」「裏付けとなる施策の積み上げに基づいた実行可能なもの」として策定されており、野心的に「あるべき姿」を示すものとは言えません。

 日本の掲げる「2050年世界半減、先進国全体80%減」の目標に整合的なものと記述されていますが、その道筋は全く示されておらず、結果として気候変動問題に対する日本政府の取り組み姿勢を疑わせるものとなっています。

 エネルギーミックスは少なくとも3年毎に見直すこととされています。次の見直しに向けて、「我が国の優れた技術」の潜在力を引出し実行可能な対策を広げていくことが必要です。それを促すシグナルとしても、野心的な目標設定を行うべきです。

(該当箇所;家庭部門)

【意見2】 国民との丁寧なコミュニケーションの下に、省エネの徹底や再エネの普及などの施策を進めてください。

<理由>

 温室効果ガスの削減のためには、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギーの普及など、国民の理解と参加が必要な施策が中心となります。この問題について国民の理解を一層深め、丁寧なコミュニケーションのもとに進めていくことが必要です。

 今回の削減目標の設定を、国民啓発の機会として活用していく視点も重要です。そうした意味でも野心的な目標を設定すべきです。

(該当箇所;家庭部門)

【意見3】 消費者市民の主体的な選択を促進する仕組みが整備されるべきです。

<理由>

 消費者の選択は現在と未来の社会経済に大きな影響を及ぼします。そのことを自覚し、自らの消費生活について考え、主体的に選択する社会を「消費者市民社会」と呼び、消費者教育推進の目標となっています。(消費者市民社会は、消費者教育推進法第2条で定義されています)

 家庭部門の対策の多くはこの消費者市民の選択を通じて実現されるものであり、地球環境の視点から、消費者が主体的で合理的な選択を容易に行えるように仕組みを整備していかなければなりません。

 例えば、現在、具体化が進められている電力システム改革の制度設計にあたっては、消費者が購入する電気の電源構成(再生可能エネルギーや化石燃料、原子力といった発電源に関する情報)などの情報が、容易に比較検討できる形で提供されなければなりません。