資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課「国民の声」担当 御中
北海道電力株式会社の電気料金値上げ申請に係る意見
[氏名] 一般社団法人 全国消費者団体連絡会
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[電話番号] 03-5216-6024
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[E-mail] webmaster@shodanren.gr.jp
今回の値上げ申請は昨年9月の値上げから1年足らずの再申請であり、前回7.7%の値上げに加えて17.0%という大幅な値上げ申請であること、また値上げ実施時期が北海道では電力需要が高まる10月としていることから、地域の消費者の家計や行政サービス、企業活動等に大きな支障を及ぼすことが危惧されます。物価上昇、消費増税、原油価格高止まりなど道民にとって死活問題となりかねません。
今回の値上げ審査は電源構成変分認可制度の適用となり、審査対象が限定されています。しかし、今回の申請が前回の査定を踏まえた効率化計画を着実に実施した結果であることの説明は少なくとも必要と考えます。
したがって査定項目のみならず、査定項目以外についても丁寧な説明を求めます。
<査定対象項目について>
燃料費について
火力燃料費抑制のために具体的に行った対策、ピークシフト・メリットオーダーの具体例、卸電力取引所等の活用実態、再生可能エネルギーの活用実態について説明してください。
<査定対象項目ではないが事業者による積極的な取り組みや消費者への丁寧な情報提供・説明が求められるものについて>
経営効率化について
前回値上げ時に約束した「経営の効率化」については具体的にどう進めてきたのか根拠となるデータを示してください。また今後の経営環境を踏まえての更なる経営効率化について具体的な計画を示してください。また、以下の点について北海道電力の説明を求めます。
- 各科目毎の総括原価金額と実績金額を対比して評価できるように決算書類を作成し、公表すべきです。
- 役員報酬については、平成24年度から段階的に減額幅を拡大しているとされていますが、具体的にどの程度削減されているかを明確に説明すべきです。
- 再値上げ申請後に公表された合理化策は社宅売却の10億円のみとなっています。より積極的な経営効率化策を検討されているならお示しください。
- 電力中央研究所への支出が料金原価を上回っています。新たな研究項目が加わったためと説明されていますが、値上げにつながってもやむを得ないような内容なのかどうかについて納得のいく説明を求めます。
電源構成の見直しについて
- 今回の申請で泊原発3基の再稼働時期を2015年11月〜2016年3月とした根拠を具体的に示してください。
- 今回の申請でも原子力発電所の再稼働が前提になっています。現在の再稼働に向けての審査の進捗を見る限り、原発再稼働の前提が崩れる可能性も高く、その場合の再度の値上げの不安が払拭できません。安易に値上げ申請を行うのではなく再生可能エネルギーをはじめとする電源構成の多様化をすすめるなどのリスク軽減策を持つべきと考えますが、お考えをご説明ください。
- 電気料金審査専門小委員会では原発が再稼働した場合の速やかな値下げの可能性についての議論が進んでいます。再稼働の基数、時期など、考えられるパターンごとの値下げの時期についての考えを示してください。
電力システム改革を見据えた経営改革を
- 北海道電力は電力システム改革のトップランナーとして生まれ変わるべきです。北海道の広大な土地、自然環境に恵まれた立地から、自然エネルギーの活用に最も適した地域です。全国のモデル地域になりえる可能性も十分です。石油等に代わるクリーンなエネルギーとして普及・導入を要望します。北海道条例108号「北海道、省エネルギー・新エネルギー促進条例」に沿って、電力の多様化を推進し、北海道におけるエネルギー政策の展望を明らかにしてください。
- 自然エネルギーの活用、発電効率の高い設備への更新、LNGの利用など電源構成の多様化には中長期的計画が必要です。今後10年・20年の計画について具体的に示してください。
需要家への対応
- 地域独占で事業を行う事業者として、顧客の満足度を上げる努力は必須です。特に規制部門利用者の電力利用実態を調査・分析し、現在は電力会社を選べない消費者に対して、より生活の実態に合った選択できる料金メニューを用意するなど、ユーザー還元という視点を明確にした事業展開を望みます。
- 今回は値上げ幅が大きく、需要家には大変な負担となります。電気料金の支払いが滞った時、安易に電気を止めることの無いよう、一定の配慮を求めます。
以上