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消費者安全調査委員会一周年にあたって意見書を提出しました

 消費者のための事故調査機関として消費者庁に消費者安全調査委員会が設置され、一周年を迎えるにあたり、PLオンブズ会議との連名で別紙意見書を提出いたしました。

 9月19日開催の第3回理事会での検討を経て、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者安全調査委員会委員長宛に郵送するとともに、広く社会に向けて消費者安全調査委員会の存在を積極的にアピールしていくため、消費者庁記者クラブでの会見を実施しました。10月1日の一周年に向けて、各報道機関で特集記事が組まれることを期待したいと思います。

※写真は日本消費経済新聞社よりご提供いただきました。

<意見書の提出>

  9月26日(木)、小堀事故調査室長に要望書をお渡ししました。

<記者会見>

  同日17時より、消費者庁記者クラブ会見室で実施しました。終了は17時50分。

会見者: 河野康子 全国消団連事務局長(共同代表)
中村雅人さん 全国消団連製品安全専門委員会委員、PLオンブズ会議メンバー
高田直子さん PLオンブズ会議メンバー
(司会進行:全国消団連事務局次長・板谷)
参加社: NHK、朝日、日経、共同、時事、産経、消費経済新聞、東京、他。

2013年9月26日

内閣府特命担当大臣(消費者)、消費者庁長官、消費者安全調査委員会宛に提出

一般社団法人 全国消費者団体連絡会
代表理事(共同代表)河野 康子
代表理事(共同代表)丸山 善弘
代表理事(共同代表)山根 香織
PLオンブズ会議



消費者安全調査委員会に関する意見書
〜 発足1年を顧みて 〜

 消費者のための事故調査機関として消費者庁に消費者安全調査委員会が設置され、2012年10月1日に活動を開始してから1年を経過しようとしています。

 この間に、同委員会は、エスカレーター事故とエレベーター事故に関する他機関の調査報告を評価検討し、今後さらに自ら調査することを表明しました。これらの報告を見ると、事故製品だけに目を奪われがちな既存省庁による調査と違い、事故を取り巻く環境や人間の行動にまで踏み込んで、事故を起こさないためには誰が何をすべきであったかを幅広く検討していることがうかがわれます。この点は、消費者庁が発足し、消費者安全調査委員会が設置されたことの利点を感じさせるものです。

 しかし、この1年に消費者らが調査を申し出た案件が102件(9/20現在)に上るのに対して、調査に入った件数は上記2件のほかに3件しかなく、同委員会が独自に取り上げた案件は立体駐車場事故に関する1件のみに止まっています。

 全国消費者団体連絡会とPLオンブズ会議は、消費者庁や事故調査機関の創設を熱望し、運動を展開してきた者として、この1年で見えてきた問題点を指摘するとともに、同委員会が真に国民の期待に応え得るものに成長していくよう、下記の意見を表明します。

1 消費者安全調査委員会の存在意義を明らかにし、審議の情報を公開すべき。

 事故を取り巻く環境や人々の生活や行動のあり方にまで踏み込みながら、責任追及ではなく未然防止のために調査を行い、行政機関等に意見具申するといった消費者安全調査委員会の特色・存在意義を明確にし、周知を図るべきです。その上で、審議をもっと公開し、検討案件の進行状況も公表すべきと考えます。広報は、消費者庁のホームページに限定することなく、広く関係者に配布すべきです。

2 委員会の体制を人員、予算両面から格段に強化し、委員の一部は常勤とすべき。

 運輸安全委員会が扱う航空機、船舶、鉄道、以外のあらゆる事故を対象とする機関としては総勢20人の事務職員では少なすぎます。
 7名の委員は、1か月に1回会合を開き案件を議論していますが、この態勢では多数の案件を処理することはできません。実務委員会ですので、少なくとも2〜3名は常勤委員とすべきです。

3 調査すべき事案の選定基準をより明確にし、国民が納得するようにすべき。

 委員会が定めた選定基準は抽象的すぎ、受理されなかった申出人らから不満の声が上がっています。だれもが納得する詳細な選定基準を策定すべきです。

4 過去の事件の捜査記録や裁判記録にアクセスすべき。

 現状では、捜査機関や司法機関が収集した情報の中に事故原因を究明するのに役立つ情報が多数含まれています。
 しかし、警察庁と消費者庁との確認事項は、これから発生する事故に関する事項しか定めておらず、エレベーター事故やエスカレーター事故のようにすでに発生してから時間が経過し、訴訟中となっている案件の捜査記録や裁判記録を消費者安全調査委員会が利用することについては何も定めていません。この点のルールを早急に定めるべきです。

以上