国は、国と地方公共団体が共に「消費者の立場に立つ」という社会全体の大きな転換の中を掲げ、消費者行政の一元化の論議が進められました。しかしながら、論議の結実といえる、消費者庁関連三法の国会審議が進む中で、消費者行政の課題の一つである相談体制にのみ焦点が当てられたきらいがありました。消費者庁が設置された今こそ、消費者問題と消費者行政全体を行政が国民と一体となって捉え直すことが求められています。
【項目】 |
|
各地方公共団体における「消費者安全情報総括官」の設置、庁内本部設置などを促進 |
【意見】 |
|
都道府県の関係部局、市町村の消費者行政担当部局が入った「地方消費者行政推進本部」の設置を各都道府県へ促してください。 |
【理由】 |
|
緊急時対応のための「消費者安全情報総括官」を置くだけでなく、日常的に消費者行政課題に取り組む「地方消費者行政推進本部」を置くことが必要だと考えます。 |
|
|
【項目】 |
|
全都道府県に創設された地方消費者行政活性化基金を活用し、地方消費者行政・消費生活相談体制を充実(基金を活用した事業は平成23年度まで実施) |
【意見】 |
|
- 平成22年度以降の活性化基金の使い方については、是非再考ください。
- 都道府県に対する平成24年度以降の国の支援策について、早急に具体化し明確にしてください。
|
【理由】 |
|
活性化基金要綱を地方公共団体の実情に合わせ、使い勝手のよいものに改定してください。
地方消費者行政活性化基金事業が平成23年度で終了しますが、現在平成24年度以降の国の支援策が明確に示されていません。地方公共団体の中には、現在すでに今後の財源の問題などから、相談員の増員などの継続的な事業を手控えているところもあるようです。
そして、地方公共団体が安心して地方消費者行政活性化基金事業に取組めるよう、平成24年度以降の財政支援も視野に入れた支援策を明確に公表してください。 |
|
|
【項目】 |
|
消費者ホットラインについて、11月目途に全国で本格実施 |
【意見】 |
|
- 消費者情報ダイヤルについて、早急に国民に広く広報してください。
- 消費者ホットラインについて、早急に国民に広く広報してください。
- 情報ダイヤルとホットラインの違いを、早急に国民に広く広報してください。
- 地方の相談窓口・消費生活センターの電話番号の広報にも取り組むよう、地方自治体に促してください。
|
【理由】 |
|
現在、消費者庁のホームページのトップページには、消費者ホットラインの情報が出ていません。また、消費者情報ダイヤルについても情報が少ないと思います。消費者情報ダイヤルが相談電話ではないことをもっと大きく広報しないと、期待してかけた消費者がたらい回しされたように感じます。早急に消費者ホットラインを立ち上げ、消費者情報ダイヤルとの違いをはっきりと説明してください。
また、消費者情報ダイヤルがまだ立ちあがらない都道府県に関しては、消費者が困ったらすぐに相談できるよう、各地方公共団体へ相談窓口や消費生活センターの電話番号の広報強化を促してください。 |
|
|
【項目】 |
|
今後3年程度の集中育成・強化期間後の国による支援の在り方や、消費者センターの設置、相談員の配置処遇等の望ましい姿に関し実態調査を実施 |
【意見】 |
|
実態調査は、消費生活センターの設置、相談員の配置・処遇等、地方消費者行政部局の職員相談員のみを対象とするのではなく、財政部局、人事部局、企画部局などの関連部局も含めて、総体的に調査して下さい。 |
【理由】 |
|
消費者行政も地方公共団体の中の一部門であり、他部門との関係の中で進められています。単に、直接の担当部局の現状を調査するにとどまらず、自治体としての消費者行政の位置付けをはかるために、財政・人事・企画などの他の業務との調整を図る部局も含めて調査を実施し、問題点を明らかにして改善策を検討してください。 |
【項目】 |
|
多様な視点から物事を捉える能力を身に付け、自主的かつ合理的に行動するという観点からの消費者教育の在り方について検討を行ない、結果を踏まえた措置を実施 |
【意見】 |
|
- 上記の視点に基づいて組み立てられている、消費者教育の事例を収集し、平成22年度より様々なステークホルダーに働きかけて、事例の普及をすすめてください。
- 政府、消費者、事業者、労働組合、金融セクター、NPO・NGO、専門家の間で進めている、「安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議」でも同様の視点に立脚して「人を育む基盤の整備」を協働戦略策定の検討課題としており、協働での取り組みの端緒として、平成22年第一四半期でのマルチステークホルダーによる「消費者教育フェスティバル(仮称)」の実施を検討しています。実施にあたり、財政や広報、省庁間の調整などを支援してください。そして全国各地で同様の事業を進められるよう、普及につとめてください。
|
【理由】 |
|
多くの国民が消費者教育に持つイメージを大きく広げ、知識の習得や被害防止にとどまらない取り組みとして「消費者市民教育」や「持続可能な開発のための教育」に近い考え方が提示されています。新しい視点を普及して消費者教育を幅広いものとするためにも、先行事例の掘り起こしや協働での取り組み事例を普及することは重要だと考えます。 |
|
【項目】 |
|
「消費者教育連携事業等の各種事業」 |
【意見】 |
|
- 消費者教育連携事業とは、上記「円卓会議」関連の事業でしょうか。そうであれば、その旨を明 記してください。
- 省庁間、消費者団体と省庁、地方公共団体と消費者団体、事業者と消費者団体など、個別のステークホルダー間での協働事業も含めての想定であれば、その旨を明記してください。
- 消費者団体での消費者教育の取り組みに対して、消費者庁として財政的な支援を行なうことも、 消費者団体と政府との間での消費者教育連携事業といえると考えます。消費者団体の行なう消費者教育に対する、国や地方公共団体の支援制度の検討を盛り込んでください。
|
【理由】 |
|
連携の内容については、「円卓会議」などの取り組みが始まっています。連携事業を幅広く捉えて、消費者教育を豊富にすることを目標として組み立てることを求めます。 |
|
【項目】 |
|
関係省庁消費者教育会議等を活用し、文部科学省を始めとした関係省庁等との連携の在り方について検討 |
【意見】 |
|
- 「内閣府・文部科学省消費者教育連絡協議会」を「消費者庁・文部科学省消費者教育連絡協議会」に改組して定期的に開催し、まずは消費者庁と文部科学省の間での消費者教育推進の連携体制などを確定してください。
- 「関係省庁消費者教育会議」について、会議確定内容の進捗状況を検証、評価し、未達成省庁に対する働きかけを強めてください。
- 消費者教育の推進のための消費者担当部局と教育担当部局との連携強化について、平成18年3月31日付で都道府県と政令指定都市に出された文書に対して、その後の取り組み状況の検証評価を行ない、未達成の地方公共団体に対する働きかけを強めてください。
|
【理由】 |
|
消費者教育の推進役として、文部科学省の役割は重大です。まずは消費者庁と文部科学省との連携強化が必要だと考えます。その上で、二つの省庁が中心となって全省庁、国と地方公共団体の横串をさして、「多様な視点から物事を捉える能力を身に付け、自主的かつ合理的に行動するという観点からの消費者教育」作りを進めてください。 |
|
|
【項目】 |
|
各主体が作成した教材や取り組み事例を幅広く掲載する「消費者教育ポータルサイト」の本格運用を開始 |
【意見】 |
|
- ポータルサイト自体の存在を社会全体に知らしめるよう、立ち上げとあわせて広報を強化してください。
- テーマからの逆引きなど、より使いやすいサイトを目指して、利用者の声のフィードバックを定期的に行ない、充実を図ってください。
- ポータルサイトに限らず、消費者庁ホームページでの、各地域や各セクターでの消費者教育実践 例の紹介を行なってみてはどうでしょうか。
|
【理由】 |
|
- 消費者教育を実施にするにあたって、講師探しや会場手配は非常に負担となっています。ポータルサイトは実行にあたっての負担軽減に大きく寄与するものです。しかしながらその存在自体が知られていない場合が多いのも実情です。ポータルサイト自体の存在を知らしめる取り組みは、消費者教育の充実に重要な意味を持ちます。
- せっかく作られたサイトも使い勝手が悪ければ、利用者は増えません。アクセス分析などとあわせて、定期的に利用者の声を聞き取って、サイトの改善につとめてください。
- アクセスしたくなるようなコンテンツ作り、双方向での交流はサイトの活性化に寄与します。
|