消費者事故情報の一元化は、消費者被害の予防と再発防止にとって極めて重要な課題です。目下、この秋にスタートする消費者庁が担うことになる情報収集・公表のシステムはどうあるべきか、に大きな関心が集まっています。消費者のために製品安全問題を広く検討してきた私たちPLオンブズ会議は、この問題について検討を重ねてきましたが、本日は多くの関係者の皆さんにもお集まりいただき、わが国の事故情報収集・公表の現状を明らかにするとともにアメリカの状況を参考に、消費者事故情報の一元化のあり方について意見を交換しました。
本日の論議でも明らかになったように、わが国の事故情報収集の現状は、そもそも発想として「事故情報は国民の共有財産である」との基本的な考えに基づいておらず、多数の機関が情報を収集しているものの、それぞれの機関が縦割り的に保有し、共有化が十分に図られていません。特に、警察、消防や病院の保有する事故情報はその傾向が強く、消費者被害の救済や事故の再発防止・予防を難しくしています。
また、収集した事故情報が直ちにそのまま公表されるようにはなっていません。公表しないか、公表しても加工して非常にわずかな情報しか提供しないものがほとんどです。公表の迅速性を含めて、消費者に役立つように情報が提供されているとはいえないのが現状です。
更に、事故情報に基づいて原因究明を行い、事故の未然防止につなげていくことは今後に残された大きな課題です。
このように現状のシステムは改善すべき大きな課題を抱えています。私たちは、消費者の安全・安心の確保に役立つ「消費者事故情報の一元化」の実現を心から願い、以下の点を提言いたします。