今国会の重要法案である個人情報保護関連5法案(政府案)は、衆議院特別委員会で40時間の審議を経て、5月6日、11項目の附帯決議とあわせて衆議院本会議を通過、参議院へと審議の場を移しました。
全国消団連では民間部門に関する法制度がないなど個人情報保護法制が未整備な現況のもとで、個人情報の不正な取得や第三者提供の横行が推測される事例が数多く生じていることや、従業員等による個人情報の不正な漏洩が問題となるケースもおきていることから、個人情報保護法制の確立を積極的に求めてきました。
本法案の審議にあたって、当会では野党の共同修正案を支持しその内容について充分に検討し、政府案にできる限り盛り込む事を要望してきたところですが、結果的に附帯決議に留まったことは誠に遺憾なことと言わざるをえません。
良識の府である参議院におかれましては、衆議院特別委員会の附帯決議を最大限尊重しつつさらに議論を深め、必要な修正を加えて頂きたいと考えます。
以下、当会として政府案に懸念のある事項を列記しますので審議に反映くださいますようお願い申し上げます。
十分な議論を重ね、与野党合意のもとで「真に消費者・市民のための個人情報保護法制」を確立されることを求めます。
記
(法文の修正を求める事項)
- 本人が適切に自己情報に関与できるように「取得に際しての利用目的の通知」「第三者提供」については本人への通知を原則とすべきです。又、第三者に当たらないとする「グループ利用」については削除を求めます。
- 恣意的な権限行使を避けるために主務大臣が勧告・命令を行った場合にその内容を国民生活審議会に報告し公表するよう義務付けて下さい。
一方、権利侵害にあった場合には、何人も主務大臣に対して勧告を求めることができるよう申し出制度を設けてください。
- 医療、金融・信用、情報通信、教育等、特段の個人情報の保護が求められている分野についての個別法の制定について明記して下さい。
- 施行後3年を目途とした見直し規定を附則として設けてください。
(実効性の確保にむけての事項)
- 苦情相談については各地の消費者センターの消費者相談窓口を活用するとしていますが、多発する消費者トラブルに対し相談体制は十分とは言えない現状があります。
予算措置を含めた相談体制の充実・強化が必要です。
|