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10月10日はまぐろの日!! (一社)責任あるまぐろ漁業推進機構(OPRT)のご後援をいただき、今年も「10月10日はまぐろの日」にちなんで学習会を開催しました。水産資源の現状と持続的利用について、資源が急回復しているミナミマグロの魅力など、マグロを含めた水産資源の現状を学びました。 【日 時】10月10日(木)14時00分〜15時30分〔Zoom によるオンライン学習会〕 【参加者】55名
【内 容】●水産資源の持続的利用にむけて 概要(事務局による要約) T、水産資源の持続的利用にむけて (講師:水産庁 加工流通課 課長補佐 吉川千景さん)
<海洋環境の変化が水産業に与える影響> 我が国の近海における海面水温は、100年間で1.28℃も上昇しました。陸だけではなく海も暑くなっています。近年、サケの不漁がメディアで報道されています。サケは川で生まれ、比較的冷たい海で成長し、再び生まれた川に戻る魚です。川から海に出た稚魚にとって快適な水温ではないことや、水温の上昇が影響してエサ環境が悪いこと等が、不漁の要因ではないかと考えられています。サンマは今年は豊漁、個体が大きかったと言われますが、資源が増えているわけではなく、海流の変化により、漁獲しやすい場所に漁場が形成されたことや、エサ環境が良くなったのではないかと指摘されています。このように、海洋環境の変化は、水産業、私たちの消費にも大きな影響を与えています。 では、魚が獲れないなら食べなくても良いでしょうか。魚を食べなくなると、需給バランスと連動して価格が下がり、漁業者の収入が減少します。結果として漁業者の高齢化や離職が進み、漁村の崩壊や関連する産業全体の衰退にもつながります。漁業は漁獲だけでなく、環境保全や海難救助など、多面的な役割を担っており、魚食の減少はこうした機能の衰退にも影響します。 <輸入・養殖に頼ればよいか> 世界の人口はどんどん増え、世界的に水産物の需要が増加しており、輸入依存はリスクが高まっていると言えます。また養殖について言えば、エサや種苗は天然魚が多いことや、養殖できる場所が限られていること等から、養殖で増やせる量には限界があり、輸入や養殖だけで解決できることではありません。したがって、日本周辺の天然資源をいかに持続的に利用するかが基本であり、獲り過ぎないよう漁獲量を管理することや、稚魚放流などの取り組みを組み合わせて実施することが不可欠です。 <マグロを巡る資源管理の成果> クロマグロは資源管理の結果、増えている魚のひとつです。国別の漁獲量の上限設定という国際的な取組と、日本の漁獲量上限を遵守するための漁業者及び遊漁者への規制など、厳格な管理により資源が回復してきています。OPRTでキャンペーンを行っているミナミマグロも同様に、資源管理の結果、資源は回復傾向にあります。このように、資源管理が確実に成果を上げています。 また、ブリやシイラ(マヒマヒ)など、海洋環境の変化によって増えている魚もあります。このように、海洋環境の変化に合わせ、資源管理をしながら持続的に利用することが大切です。 <水産物の消費動向と課題> 食用魚介類の消費量は20年間で約4割減少し、肉類に比べて低下が顕著です。消費者へのアンケートでは75%の人が「魚が好き」と答えますが、実際の消費量は減っている状況です。理由は「価格が高い」「調理や後始末が面倒」「子どもが骨が多いことを嫌がる」こと等が挙げられています。マグロやサケなど骨が少なく比較的食べやすい魚は好きな魚として人気を維持しています。 一方で、産地では、海洋環境の変化に伴う分布域の変化等により、これまで主力としていた魚が獲れず、馴染みのない魚が獲れることや、食用になりづらい小型魚や複数魚種の混獲といった課題に直面しています。 <水産資源の持続的利用に向けて> では、どうすれば水産物を持続的に利用しながら消費量を増やせるでしょうか。まずは水産資源が豊富にあることが基本となります。そして日本の水産業が健全であり若者がたくさんいて活気があること、日本の多様で豊かな食文化の維持のためにも輸入水産物が安定的に確保できること、これらが揃うことで水産物の安定的な供給の土台ができます。消費拡大につなげるには、楽しさ、健康面・環境面での健やかさ、そして何よりおいしさを体験できる機会、情報の提供が重要であると考えています。 消費者ができることとして、水産資源の持続性や環境に配慮した商品であることを示すMSCやASC等の水産エコラベル認証商品を選んで購入することで、消費者が間接的に資源管理や環境保全に貢献できることになります。 <水産庁の消費拡大の取り組み> 食の選択肢が多様化する中で、魚を選んでもらうきっかけ作りも必要です。水産庁は毎月3〜7日を「さかなの日」、11月を強化月間として11/3〜7日は「いいさかなの日」という取組みを展開しています。官民連携で消費拡大の取組みを行っており、2025/9月現在1072の飲食店やメーカー等、多様な団体が賛同メンバーとして参画し、新商品の開発やレシピ提案等さまざまな取組みを行っています。 <マグロ消費拡大のアイデア(講師 私見)> マグロは刺身や寿司など生食が主流ですが、消費量が増加しているサーモンは、多様なレシピ・調理法が人気の要因です。マグロ漁業の操業風景の動画は高い人気があることから、SNSやYouTubeで漁業現場を発信するなどして、ストーリーを伝えるとともに、食べ方のバリエーションを増やすことで消費拡大が可能だと考えます。また、模擬セリ体験や解体ショーなどの体験型イベントを通じて、消費者との距離を縮める取組みも有効だと考えます。ぜひ皆様からも、食べ方や売り方、体験の提案をお願いします。 U、ミナミマグロは南半球の本マグロ (講師:鮮魚店「泉銀」店主、フィッシュロックバンド「漁港」ボーカル 森田釣竿さん)
★町のお魚屋さんの三代目店主である森田釣竿さんが営業中のお店からリモートでご登場し、魚の魅力を全力で発信してくださいました。(以下:事務局による概要) ・マグロといっても色々な種類がありますが、ミナミマグロ(インドマグロ)に強いこだわりと誇りをもって店頭に置いています。本マグロのほうがお客さんの引きが強く、本マグロが一番だと思われがちですが、ミナミマグロも負けないくらいおいしいです。色変わりが早い、骨の入り方が難しいなどの理由で敬遠されがちですが、手間が掛かるところも含めてミナミマグロを推しています。 ・ミナミマグロの特徴は、甘味が強くまろやかなこと、個体差もありますが本マグロより値段も安くお手頃だと思います。資源としても十分あり、胸を張ってお勧めしています。本マグロとミナミマグロを混ぜて「極上ミックス」として売ることによって違いが理解でき、マグロを理解してもらうことにもなっています。 ・コノシロ、カッポレ、シイラ、エイなど認知度が低くて難しい、魚価のつかない魚なども店に置いてお勧めしています。一魚(いちぎょ)集中ではなく、色々な魚がおいしいし、楽しいということを、消費者にわかって欲しいというスタンスでやっています。 ・「人は必ずしも魚をみて魚を買っていない、この人の魚を買いたいと思う」という言葉を信じています。話さないと伝わりません。一般に鮮魚売場はポップやラベルで産地や調理方法を示す場合も多いですが、距離感が否定できません。近い距離で熱量を持って話せば、お魚のビギナーの方にもわかってもらえます。どんな魚かをアピールし、見た目で驚いたり笑ったりしてもらいながら、食べられる驚き、食べての感動、それらを通して仲間を増やしていく。一人一人のお客様と本気でぶつかっていくことを大切に考えています。 ・おいしさ、楽しさ、健やかさがあってこその消費です。おしつけるだけではなく、売る側の熱量が大事なので、スーパーも量販店も、大きい店も小さい店も、愛を持って売っていくことが大事です。 ・マグロは、赤身・中トロ・大トロがクローズアップされますが、脳天からほっぺた、目玉、えら、心臓、胃袋、尻尾など、捨てるところがありません。魚は殆どがそうであり、そういうことから命をおしえる必要があります。マグロの販売は、マグロだからこそのリアリティーもあり、解体ショーもあるように、色々な部位を食べることで、命を学び命を繋いでいくありがたさに直結している大切な仕事と思います。 ・マグロのおいしい食べ方のお勧めとして、一つはオリーブオイルと塩で食べるもの、もう一つは「塩マグロ」と言って、マグロのサクの全面に塩をして15〜20分おき(塩で締める)、それを水洗いして水分を拭き取り食べる、これをぜひお試しください。これからもミナミマグロの魅力を発信していきます! 以上 |