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「賃貸住宅の契約に関するトラブルについて」学習会を 消費者トラブルの上位に必ず入っているのが賃貸住宅問題です。PIO-NET(消費生活相談データベース)でも、賃貸契約問題(特に退去時に伴う原状回復トラブル)の相談数は毎年上位になっています。 民法の改正や社会情勢の変化対応として見直される予定の「賃貸住宅標準契約書」について、国土交通省の元島時蔵さんに説明をしていただきました。 【日 時】 2017年8月17日(木) 18時00分〜19時40分 【会 場】 主婦会館プラザエフ 5階会議室 【講 師】 元島 時蔵さん 【参加者】 25名 概要(事務局による要約) 【賃貸住宅標準契約書の改訂(案)について ●「賃貸住宅」に関する相談の状況 「賃貸住宅」に関する相談件数は、年間で約3万5千〜4万3千件(H18〜27年度)あり、全体で5位(占める割合は3.6%、H27年度)になっています。最近の事例では「家賃の滞納に関する連帯保証人の責任」「賃貸住宅の敷金と原状回復トラブル」などが紹介されました。 ●賃貸住宅標準契約書と今回の再改訂の背景 平成5年に、賃貸借契約をめぐる紛争を防止し、借主の居住の安定及び貸主の経営の合理化を図るため賃貸住宅標準契約書が作成され、平成24年に改訂されました。さらに民法の改正に対応するために現在、再改訂が予定されています。標準契約書はひな形であって使用を強制するものではなく、全国を適用範囲とすることから、最低限の事項からなり、特約の補充も想定したものになっています。 ●改訂案のポイント 【個人根保証関係】
【賃借物の一部滅失等による賃料の減額等】 民法改正で、賃借物の一部が賃借人の帰責事由によらずに滅失等した場合、従来「賃料の減額を請求することができる」とされていましたが、「(賃料は)減額される」と当然に減額するものとされたことを受けて、条項が追加されます。 【敷金】 民法改正で明文化された敷金に関する規定を踏まえて、条項の表現が修正されます。(内容は従前通り) 【賃借人による修繕】 借主に帰責事由がある場合の修繕義務の記載が修正されます。また貸主に修繕の必要があることを通知しているにも関わらず、正当な理由なく行われない時に、借主が修繕をすることができると規定されます。 【賃借人の原状回復義務】 民法改正で明文化された原状回復義務に関する規定を踏まえて、条項の表現が修正されます。通常の使用に伴い生じた損耗、経年劣化、借主の責めに帰することができない事由により生じたもの(震災等の不可抗力による損耗等)は原状回復を要しません。 ●今後のスケジュール 賃貸住宅標準契約書の再改訂についてはパブリックコメントを受けて検討委員会で協議され、出来るだけ速やかに公表される予定です。 意見交換
参加者感想(抜粋)
◆全国消団連では賃貸住宅標準契約書の改訂案には賛成を基本にしたうえで、約款の事前開示の観点から「賃貸住宅契約書」も事前に開示されることを要望して、9月8日に意見を提出しました。 以上 |