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学習会開催報告
「これは改正したい!消費者契約法改正の重要論点」

【日時】 7月24日(金) 17:30〜20:00

【会場】 主婦会館プラザエフ5階会議室

【講師】 山本 健司 さん
(弁護士、
消費者契約法専門調査会委員)

【参加者】 34名

<ポイント(事務局による要約)>

●消費者契約法は、消費者と事業者間の情報格差に起因する消費者被害の解決等を目指し2001年に施行されました。事業者・消費者間の契約に広く適用される包括的民事ルールですが、規定の少なさ、使い勝手の悪さ、社会の変化(高齢化、情報化)への対応の必要性などが問題とされています。

●法成立時の附帯決議において5年後の見直しが求められ、累次の消費者基本計画にも見直しの検討が盛り込まれ、消費者委員会でも提言や論点整理が重ねられてきました。このような経過の末、総理大臣から諮問を受けて2014年11月から消費者委員会に消費者契約法専門調査会が置かれ議論が始まり、8月には中間とりまとめの予定となっています。

●消費者契約法専門調査会で審議された個別論点は20項目ありますが、「消費者を不当な契約から守る!被害を回復する!」という観点から見ると、特に6つの論点が重要です。(下に掲載)

●法改正に向けて、その裏付けとなる被害事例の収集が重要です。消費者団体からそうした事例や意見書が数多く提出されることが期待されています。

<改正が必要な6つの論点>

【重要ポイント・その1】 「つけこみ型の勧誘行為を取り消す!」

<重要論点①> 「つけ込み型不当勧誘行為に対する取消権」の導入

問題事例 一人暮らしの高齢者が認知症であることにつけ込んで、不必要な着物、宝石、健康食品等を次々と購入させた。これらの契約を取り消したい。

【重要ポイント・その2】 「ネットでの虚偽勧誘を取り消す!」

<重要論点②> 「勧誘」要件の拡張

問題事例 中古車を購入しようと思い、インターネット広告で気に入った車を選び、店舗に赴き購入した。ネット広告では走行距離4万kmと表示されていたが実際の走行距離は12万kmであった。こんな契約は取り消したい。

【重要ポイント・その3】 「動機に関する虚偽勧誘を取り消す!」

<重要論点③> 「重要事項」の拡張

問題事例 「電話回線がアナログからデジタルに変わります。今までの電話が使えなくなります。この機械を取り付けるとこれまでの電話を使うことができます。」と言われ、そのように誤認して通信機器のリース契約をした。こんな契約は取り消したい。

【重要ポイント・その4】 「取消しができる期間を伸ばす!」

<重要論点④> 取消権の行使期間の延長

問題事例 ・高齢者が、業者に騙され高額の布団を購入し消費生活センターに相談に訪れたが、すでに契約から6か月が経過しており、消費者契約法に基づく取り消しは難しいと言われた。契約を取り消したい。/・損はしないと言われて収益マンションを購入したが、契約時の説明とは異なり、5年以上たっても一向に収益が黒字にならない、契約を取り消したい。

【重要ポイント・その5】 「被害回復ができる取消権にする!」

<重要論点⑤> 消費者取消権の効果規定の導入

問題事例 消費者が、不実告知のもと健康食品5箱を1箱1万円で購入したが、2箱飲んだところで契約を取り消した。しかし、事業者から、既に消費した分の料金を支払うように言われた。

【重要ポイント・その6】 「不当な契約条項を許さない!」

<重要論点⑥> 不当条項リストの拡大

問題事例 資格試験予備校の受講契約に「本人死亡若しくは重大な疾病又はクーリング・オフによる場合を除き、受講契約締結後の解約・返金を認めない」とする旨の条項があった。授業の内容等が事前の説明と違うので取消ないし解除すると申し入れたが、解約はできないと言われた。

消費者契約法・特定商取引法 改正運動について