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第50回 全国消費者大会開催報告 【テーマ】 第50回全国消費者大会実行委員会事務局 12月3日(土)、虎の門の発明会館において「変えよう日本 つくろう未来〜大震災から見えてきた、エネルギー・食料・住まい」をテーマに、第50回全国消費者大会が開催されました。当日は、朝からあいにくの雨にも関わらず、全国各地から242名の参加がありました。 会場 発明会館ホール 東京都港区虎ノ門 規模 280名 内容 清水鳩子さんによる消費者宣言朗読 (1)オープニング(10:30〜11:00) オープニングでは、映像で全国消費者大会の歴史をふりかえり、第1回消費者大会に参加された、主婦連合会の清水鳩子さんに1957年開催の第1回消費者大会の「消費者宣言」を読み上げていただきました。 実行委員の有田芳子さん(主婦連合会)が司会を務め、実行委員長の伊藤慶子さん(岩手県消費者団体連絡協議会)より、開会の挨拶を行いました。 続いて来賓の内閣府特命担当大臣の山岡賢次さんよりご挨拶いただきました。 山岡大臣は、今回の震災に対し、消費者庁で対応されている様々な施策についてご報告されたのち、「消費者の力を結集させることが消費者行政推進の原動力となる」とお話しされ、安心して消費者・生活者が暮らせる社会のためには、行政だけでなく消費者団体の積極的かつ活発な活動が不可欠であり、「今後も消費者団体の皆様のご協力をお願いいたします」と結ばれました。 (2)被災地からの報告(11:00〜12:30)
岩手、宮城、福島、千葉の消費者団体にご協力いただいて作成した被災の状況や復旧作業の写真をスライドで上映しました。そして被災の現場で生活し、支援されている皆さんにご報告いただきました。 千葉・茨城公団住宅自治会協議会袖ヶ浦団地自治会長の佐藤志郎さんからは「東日本大震災による習志野市埋立住宅と住環境の被害」として千葉県袖ヶ浦団地での液状化問題と復興への対応についてのお話を、次に、福島県消費者ネットワーク事務局長の佐藤一夫さんからは「放射性物質汚染と福島県民の状況」として、被災地の人々の証言を映した映像と、被災地でのストレスの多い日常についてお話いただきました。 続いて、全国大学生活協同組合連合会全国学生委員の冨川竜生さんから、「大学生協ボランティア活動報告〜今こそ大学生の力を〜」という題で、学生ボランティアが宮城県七ガ浜、東松島市ボランティアセンターの立ち上げ、復興支援の体験から感じたことをお話いただきました。最後に、陸前高田市市長の戸羽太さんからは「被災自治体からの報告」として、自治体の長、公務員からみた今回の被災の現状をお話いただきました。 セッション1 登壇者より (3)パネルディスカッション・セッション1(13:10〜14:40) テーマ
コーディネーター
パネリスト
「被災者を支援し、被災地の復興を進めるために必要なことは何か」をテーマに、食料・住まいに象徴されるくらしの復旧・復興に焦点を当てて、ディスカッションしていただきました。 コーディネーターは、NHKエグゼクティブアナウンサーの古屋和雄さん、パネリストには第1部でご報告いただいた、佐藤志郎さん、佐藤一夫さん、冨川竜生さん、戸羽太さんにご登壇いただきました。 「今、どのような復興をしようと考え、その障害になっていることは何か」「私たち消費者、国、自治体などが、どのように被災地の皆さんと繋がっていけばいいのか」等についてお話していただきました。 佐藤志郎さんからは「復興計画は、あくまでも市町村と住民とで作るべき。多く議論の場を作ってそこに町づくりの思いを重ねなければいけない。復興計画の核心は、町に寄せる住民の熱い気持ちがどれほどあるか、で決まっていく。高齢者も若い人も、巻き込んだ形での議論を深めながら、町の再興を考えていく必要がある」、また、佐藤一夫さんからは「これは被災地だけの問題ではなくて、日本全国民の問題だと皆さんも捕らえていただいて、被災地の方に常に関心の目を持って見ていただきたい」とのお話でした。 冨川さんからは「被災地を忘れないということ、それだけではなく、もっと大人になった時に、七里ガ浜や東松島、陸前高田がどうなっているかを自分の目で確かめたいので、私自身がつながりを大事にしていきたいと思っている」と話されました。最後に、戸羽さんからは「全国の皆さんからも、いくら政府であっても、国会議員であっても、『だめなものはだめだ、こういうところは変えてもらいたい。』と言うこと、しっかりと言っていく勇気を、皆さんお一人お一人にもっていただくことが大切だと思う。被災地では皆がんばっている。必ず、復興させるという意気込みで、ぐっとこらえて前を見て歩いていますので、どうか我々のことを忘れないで欲しい」との、メッセージをいただきました。 (4)パネルディスカッション・セッション2(15:00〜16:45) テーマ
コーディネーター
パネリスト
セッション2では、全国消費者団体連絡会事務局長の阿南久がコーディネーターを務め、パネリストとして、独立行政法人科学技術振興機構顧問の北澤宏一さん、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)池原庸介さん、長野県飯田市水道環境部地球温暖化対策課課長の飯島剛さんをお迎えして、「東京電力福島第一原発事故後、私たちが選択すべきエネルギーは何か」をテーマに、ディスカッションしていただきました。 まずは、阿南事務局長より、日本のエネルギー政策の現状と、エネルギー問題に対する消費者の意識について説明がありました。 続いて、北澤宏一さんから、日本学術会議でとりまとめた「日本の未来のエネルギー政策の選択に向けてー電力供給源に係る六つのシナリオー」について、お話いただきました。 次に、池原庸介さんからは「震災後の国内のエネルギー議論は『原発縮小』であり、世論としても国民感情としても、拡大していくことは許されないだろう。今後は、環境や経済への影響を抑えながら、原発への依存度をどのように下げていくのか、建設的に議論していくことが重要。国民が目を光らせていく必要がある」とのお話でした。最後に、飯島剛さんからは、飯田市で取り組んでいるエネルギーの地産地消についてご報告いただきました。 そして「エネルギーを市民の手に取り戻していくことで、エネルギーをどう使うべきか、どう使ってはいけないかということを考え、自然のありがたさと怖さも知ることになる。このように、自分たちがまちづくりにも参加していくことで、コミュニティにつながっていく。社会を変えることにもつながっていくであろうし、自分たちの未来をどうかえていくのかということを考えることにつながっていく」とお話いただきました。 (5)第50回全国消費者大会特別アピール 最後に、被災地復興、原発事故に対する思いや決意をまとめた、 「第50回全国消費者大会特別アピール」 を参加者の皆さんで採択して、終了いたしました。 被災地に思いを馳せ、今後の日本のエネルギー政策について、皆さんで考える充実した大会となりました。 実行委員会構成団体 実行委員会構成団体一覧表(順不同)
【協賛団体】(12月3日現在・順不同) 団体名
【この件に関するお問い合わせ先】 第50回全国消費者大会実行委員会事務局(全国消費者団体連絡会事務局内) |