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全国消団連環境グループ主催
「生物多様性と私たちの暮らし」学習会報告
 

 全国消費者団体連絡会環境グループは、発足以来暮らしの中から環境問題を考える学習会を開催してきました。今回は環境省の方にご講演いただき、「生物多様性」が私たちの暮らしに与える影響や、COP10の結果について学びました。

1. 日 時: 11月30日(火)13時30分〜15時40分
     
2. 会 場: 主婦会館プラザエフ 5階会議室
     
3. テーマ: 生物多様性と私たちの暮らし
     
4. 参 加: 14名
     
5. 講 師: 環境省 自然環境局自然環境局 生物多様性地球戦略企画室
室長補佐 鈴木渉さん

【報告の主な内容】

1.暮らしの中の生物多様性〜なぜ今生物多様性なのか〜

 環境省 生物多様性地球戦略企画室室長補佐 鈴木渉さんさんより、以下の報告をいただきました。

強大な人間の力で、生物多様性(生態系、種、遺伝子)は今危機にある。日本では昭和30年頃から、人口の増加、1人当たりの実質国民所得倍増、1人当たり住宅延べ面積が倍増し、それとともにエネルギー供給も右肩上がりになっていった。結果として、昔は(昭和30年代)たくさんいた身近な生き物、野生動植物が絶滅の危機にさらされている。自然の恵み(生態系サービス)は人類の豊かな暮らしの構成要素で、水、空気、食べもの、くすり、木材など等、私たちの生活になくてはならないものは、自然やいろいろな生きものたち(生物多様性)によってつくられ、守られている。私たちが暮らしていくには、自然とどう折り合いをつけていくかが問題です。

2.COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の結果

2010年10月18日〜29日の日程で、愛知県名古屋市にて開催され、179の締約国、関連国際機関、NGO等から13000人以上が参加した。
今回の会議では、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)*に関する名古屋議定書と、2011年以降の新戦略計画(愛知目標)*が採択された。
   
遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)
生物多様性条約の目的は、(1)生物多様性の保全、(2)生物多様性の構成要素(生物資源)の持続的な利用、(3)遺伝資源の利用から生じる利益の公平かつ衡平な配分の3点があり、今回のCOPでは、とりわけ(3)のABSの国際的枠組みの策定が重要な焦点となった。
ABSとは、途上国などが保有する森林中の植物や土中の微生物等の遺伝資源を利用して活動を行った場合には、その利益(情報や特許等の便益を含む)の一部を、遺伝資源を提供した側に配分することを定めたもの。ABSの問題は環境問題であると同時に政治経済問題であると言える。
2011年以降の新戦略計画(愛知目標)
趣旨の文言は「2020年までに生態系が強靭で基礎的なサービスを提供できるよう、生物多様性の損失を止めるために、実効的かつ緊急の行動を起こす」となった。また、最後まで調整が続いた保護地域については陸域17%、海域10%となるなど、20の個別目標が合意された。

生物多様性に関する日本政府の取組みについて質問する参加者

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