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「電力システム改革の検証に対する意見」を提出しました

 2024年1月より、総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会にて「第三弾改正電気事業法の施行から5年までに実施する電力システム改革の検証」が始まりました。検証にあたり①小売全面自由化、②市場機能の活用、③送配電の広域化・中立化、④供給力確保策、⑤事業環境整備、⑥その他の内容についての意見募集がありました。

 全国消団連は、2月21日に、家庭用小売全面自由化を中心に、以下の意見を提出しました。

提出先:経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部 政策課 電力産業・市場室 電力システム改革検証担当 宛

電力システム改革の検証に対する意見

対象施策 ①小売り全面自由化
意見内容 現時点で経過措置料金(規制料金)を存続することが適当と考えられる、との判断を評価します。ただし、電力値上げによる家計への負担が大きくなっている状況もご理解いただき、消費者としては公正な競争環境により少しでも利用しやすい料金設定になることを望みます。
理由 電力自由化によって、消費者自身で電気の購入先、電源構成などを自由に選べるようになりました。その中で大手電力の経過措置料金は規制なき独占を防ぎ、公平な競争環境が整うまでの経過的な措置と認識しています。2022年から2023年に明らかになったカルテルや不正閲覧問題など多くの不正事案が発覚し、現時点で経過措置料金の解除要件である公正な競争環境の持続性が満たしていないことから、経過措置料金の継続が必要と考えます。
対象施策 ①小売り全面自由化
意見内容 事業者としての規模も大きく、市場に対して多大な影響力を持っている旧一電がルール順守の先頭に立つ環境・仕組み・監視強化の体制を構築してください。
理由 2022年から2023年に明らかになったカルテルや不正閲覧問題など多くの不正事案が発覚し、現時点で公正な競争環境は整っていないと認識しています。
これらの対策は講じられていますが、今回も、電力システム改革の視点からも検証を行ってください。
対象施策 ⑥その他(消費者への情報提供)
意見内容 事業者から消費者への情報提供について、電気の供給・料金プランの仕組みや再エネ賦課金、燃料調整制度による価格の動き方などについても丁寧に説明してください。
理由 電力自由化に当たって、消費者が自由に事業者や料金プラン、電源構成などを選べるとの大きな期待があり、その判断材料として、価格以外の情報提供(例えば電源構成など)の開示を求めてきました。
しかし、2023年の多くの電気料金プランが値上げされた際に、一時期自由料金より規制料金が安くなるなど、選択している料金プランによって、値上げの時期や値上げ幅が違うことに対する疑問が出されたことから、これまで以上に料金プランとそのプランの価格変動の仕組み、料金に含まれる費用などについての情報提供が必要です。
対象施策 ⑥その他(消費者への情報提供)
意見内容 経済産業省には、消費者が多様な選択ができるよう、電力システム改革や電力自由化の全体像が見えるように、わかりやすく整理して、説明を尽くしてください。検証のための客観的な評価軸を定めて、あらゆる側面から網羅的に検証を進めてください。
また、電力システム改革により、電気料金などの消費者への影響(メリット・デメリット)を情報提供してください。
理由 消費者サイドからみた電力システム改革のメリットは、消費者自身で電気の購入先、電源構成などを自由に選べるようになる点だと認識しています。選択することで、社会課題への意思表示を行えることが消費者の重要な選択の権利であり、便益だと考えています。そのために、経済産業省でも自由化に当たってパンフレットを作成するなど周知に努めてきた経緯がありました。しかし、電力システム改革や電力自由化が進むにつれて見えてきた課題に対し、多くの審議会で個別に制度改正がなされ、電力システムが複雑化しており改革全体が見えにくくなっています。電力システム改革により導入されたさまざまな取引市場によって、電気料金にどのような影響があるかは消費者としても知りたいところですが、理解が追い付かない状況です。生活に必要なインフラである電気は、その設備について一定消費者が負担しており、知る権利があると考えます。
対象施策 ⑥その他(電源構成について)
意見内容 再生可能エネルギーについて、電力システム改革による効果を評価し、国の再生可能エネルギーの最大限導入の方針のもと、さらなる導入拡大を目指してください。
原子力については、原発依存度を低減し、原子力回帰につながらないようにしてください。
理由 電力システム改革によって、再エネ新電力の新規参入、蓄電池の開発、送配電ネットワーク構築など、多くの施策が実施されて、再エネの導入拡大に貢献してきました。カーボンニュートラルに向けて、化石燃料の使用を減らし、再エネが主力電源になることは必須事項であり、世界的にも再エネ導入は加速しています。化石燃料は、ウクライナやパレスチナ問題などの地政学リスク、また円安の影響も受けることから、消費者がカーボンニュートラルに資する電気を安心して選ぶことが可能になるよう、さらに再エネの導入を拡大する必要があると考えます。
原子力政策は、東日本大震災以後、消費者にとってエネルギー課題の最大の関心事です。GX基本方針に原子力の活用も検討されてるなど原子力の在り方が問われている現在、原子力政策の電力システム改革への組み入れは、慎重を期すべきです。

以上