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特商法の抜本的改正を求める全国連絡会では、
12月1日に以下の意見を提出しました。

2022年12月1日

5年後見直し規定に基づく特定商取引法の見直しと
抜本的な改正を求める意見書

特商法の抜本的改正を求める全国連絡会

 以前から勧誘を断っているにもかかわらず必要のない塗装工事を勧誘して高額な請負契約を締結させられるといった訪問販売被害や、SNSによる勧誘をきっかけとした高額な副業紹介トラブル等、悪質商法による消費者被害が後を絶ちません。令和4年版消費者白書によると、全国に寄せられた消費生活相談のうち特定商取引法(以下「特商法」)の対象取引分野が、約55%という高い比率を占めています。

 とりわけ訪問販売・電話勧誘販売の割合は、認知症等の高齢者の消費者トラブルの中で48.6%と多数を占めています。このことから、超高齢社会において判断力の衰えた高齢者が悪質商法のターゲットにされていることがうかがわれ、今後更にこの傾向が強まることが懸念されます。

 また世代全体で見ると、インターネット通販に関する相談が23.0%と最多となっており、デジタル社会の進展、さらにはコロナ禍の影響もあって、インターネット通販におけるトラブルが増加していることが見て取れます。この傾向はデジタル社会の更なる進展とともに、今後更に強まると思われます。

 他方、マルチ取引(連鎖販売取引)については毎年約9000〜10000件程度と無視できない件数で推移していますが、その半数近くが20歳代となっています(※1)。今後は、本年4月の成年年齢引下げに伴い、18歳から19歳を狙ったマルチ取引被害の増加が予想されるところです。

 そこで私たちは、平成28年改正の際に規定された附則第6条に基づく5年後見直しを早急に行い、以下の内容を中心とした特商法の抜本的改正を行うことを求めます。

1 訪問販売や電話勧誘販売について、事前拒否者に対する勧誘を禁止する制度(いわゆるDo Not Knock、Do Not Call制度)を導入すること。

2 SNS等を通じた勧誘を伴うインターネット通販について、クーリング・オフや勧誘規制等電話勧誘販売と同レベルの規制を導入するとともに、SNS事業者等に対し、消費者トラブル発生時における通信販売業者・勧誘者に関する情報の開示 を義務付けること。

3 マルチ取引(連鎖販売取引)について、国による登録・確認等の開業規制を導入するとともに、被害の予防・救済のための規制を強化すること。

以上

※1 国民生活センター「PIO-NETにみる2021年度の消費生活相談の概要」より