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「住宅付属設備等に係るLPガス料金の不透明に対し
抜本的対策を求める要請書」を提出しました

 LPガスはもともと自由な料金設定が可能でしたが、料金体系やその内訳が開示されない、無償配管やガス器具の無償貸与の商慣行による料金への影響も不明朗など、多くの問題がありました。問題解決のために「取引適正化ガイドライン」が策定され、4年が経過しましたが、その改善状況はまだ途上です。

 2021年6月には、賃貸集合住宅でのLPガス契約に関し、消費者トラブルを改善する新たな取組みとして「賃貸集合住宅における入居前のLPガス料金情報提示」が始まりました。

 さらに今年の2月22日、萩生田経産大臣の定例記者会見において朝日新聞記者の質問に対し、LPガス販売のいくつかの問題を「解決すべき課題」とし、国交省・消費者庁との連携についても触れた発言がありました。

 このような状況をふまえ、全国消団連は住宅付属設備等に係るLPガス料金の不透明に対して省庁間の連携により抜本的な対策を講じるよう求める要請書を提出しました。

(提出先:国土交通大臣、資源エネルギー庁長官、消費者庁長官、公正取引委員会委員長)

住宅付属設備等に係るLPガス料金の不透明に対し抜本的対策を求める要請書

 全国消団連をはじめ多くの消費者団体では、以前より、LPガス取引におけるLPガス料金の透明化および消費者への丁寧な説明を求めてきました。

 2017年には液石法省令の一部改正、取引適正化ガイドラインの制定などが行われました。これにより、料金透明化が進んだ事業者・地域もありますが、全体としてはまだ不十分です。

 この間消費者団体でLPガス料金の不透明化問題への活動を進めてきたところ、賃貸住宅および分譲住宅に関し、住宅付属設備の一部をLPガス事業者が負担・無償貸与するかわりに、LPガス料金にその費用償却分を上乗せするという不動産事業の商慣行が行われているということがわかりました。

 関係省庁におかれましては、このような商慣行が行われることを防ぎ、LPガス料金の透明化を図る抜本的な対策を講じることを求めます。

1.建築事業者および家主がLPガス事業者に、LPガス以外の住宅設備の費用負担・無償貸与を求める商慣行を、停止させる施策を検討してください。

 この間の消費者団体の活動において、建築事業者および家主がLPガス事業者にLPガス以外の住宅設備の費用負担も求め、LPガス事業者が負担・無償供与するかわりに、LPガス料金にその費用償却分を上乗せする商慣行が行われているということがわかりました。賃貸住宅では建設コストを下げたい建設関係業者と家賃を抑えたい不動産関係者が、入居者の一括契約紹介を条件にLPガス事業者への過大投資を強要し、ガス料金に過大な投資償却費用を転嫁する事業モデルと考えられます。LPガス事業者が負担を迫られる住宅設備には、インターホン、エアコン、ウオシュレット、無線RAN機器などにも及んでいる他、紹介料なども請求される事例があります。この事実は、昨年から本年にかけてエネルギー業界誌や全国紙でも指摘されています。

 このような商慣行は住宅購入費や賃貸料を安く見せかけ、LPガス料金をより不透明にする要因になっています。訪問販売として住宅の売買を行っている場合は、「重要事項の不告知」にあたる恐れがあります。消費者はLPガス関連以外の住宅設備サービスについて、LPガス事業者との契約とは認識しておらず、その費用を消費者にガス料金に上乗せして請求を繰り返す行為は契約上問題があると考えます。

 住宅設備は、通常住宅の購入費、賃貸では家賃等に反映し経年とともに金額が下がり償却されていくもので、永続的に負担すべきものではありません。不当に上乗せされたガス料金を永続的に請求するような商慣行を停止させるための施策検討を求めます。

2.LPガスの設備費負担料金の明細を明らかにするよう事業者に徹底してください。

 LPガス関連の設備については個々の住宅事情により、その費用を住宅購入者または賃借人(消費者)が負担せざるを得ない場合もあるかと考えます。しかし、償却が終了した設備費用についても消費者が永続的に負担するのは問題があります。

 ガイドラインに基づくLPガス販売指針で示されている三部料金制などを採用し、請求書(検針票)にその内訳を明記して料金明細がわかるようにすることを、LPガス事業者へ徹底するよう求めます。

 賃貸住宅の契約においては、昨年6月国土交通省より、不動産事業者を通じて契約締結前に消費者へLPガス料金等の情報提供を行う旨通知が出されていますが、この取り扱いを行っているのは一部の地域、事業者にとどまっており、徹底を求めます。

3.問題のある商慣行で締結されたLPガス契約の中途解約において消費者が不利益とならない環境を求めます。

 LPガス契約は、消費者が自由に事業者と契約することができるものです。しかし、上記2点のような問題がある場合、不当に割高なLPガス料金を負担せざるを得ず、当該LPガス事業者との契約を解約しようとすると高額な違約金を請求されるトラブルとなり、訴訟に至る場合があります。大方の訴訟では消費者が勝訴していますが、訴訟を起こせない消費者は泣き寝入りをしています。高額な違約金を支払う必要なく、中途解約できるよう環境整備が必要です。

 本来LPガス契約は、消費者が自由に事業者を選べる契約であるにもかかわらず、料金や条件を建築事業者および家主、LPガス事業者の間で決められてしまう現状について、抜本的な改善を求めます。

以上