[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る


「デジタルプラットフォームにおける消費者保護のための
新規立法を求める意見」を提出しました

 消費者庁の「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」では、1月25日に新規立法の整備を含め緊急に講じることが必要と考えられる措置などを中心に報告書がまとめられました。

 消費者がより安全な環境で安心して利用できるよう、デジタルプラットフォーム企業の「場」の提供者としての責任をしっかり持って事業を行うためには、環境整備の基礎として法の整備が必要です。

 全国消団連では、「報告書の内容に沿った新規立法の検討を進め、今年の通常国会での新規立法を求めること」を基本とした意見書を2月10日に、「内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、消費者庁長官、内閣府消費者委員会委員長、国民生活センター理事長」に提出いたしました。

2021年2月10日

デジタルプラットフォームにおける消費者保護のための新規立法を求める意見

一般社団法人 全国消費者団体連絡会

 消費者庁の「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会(以下、検討会)」では、1月25日に新規立法の整備を含め緊急に講じることが必要と考えられる措置などを中心に報告書がまとめられました。

 デジタルプラットフォームに関する法整備としては、昨年5月に「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が成立しましたが、この法律は、デジタルプラットフォーム企業から出店者・出品者(以下、売主)に向けた情報開示や、相互理解を深めるための措置など、主に事業者間における規定となっており、デジタルプラットフォームと消費者との関係における法律は、十分に整備されていない状況にあります。

 昨年8月には、オンラインマーケットプレイスを運営する主要な事業者により、事業者の自主的な取り組みの促進や情報提供を通じて、消費者が安全かつ安心に利用できる環境を構築するために、「オンラインマーケットプレイス協議会」が設立されました。今後は、こうした自主的な取り組みにより、悪質な売主に対する対策や、消費者へのわかりやすい情報提供などが進むことにも期待するところです。

 しかし、「新しい生活様式」により、インターネットでの買い物、とりわけデジタルプラットフォームの利用が急速に広がる中において、消費者がより安全な環境で安心して利用できるよう、デジタルプラットフォーム企業の「場」の提供者としての責任をしっかり持って事業を行うためには、環境整備の基礎として法の整備が必要です。

 以上より、デジタルプラットフォームにおける消費者保護のための新規立法を求めるとともに、以下の意見を申し述べます。

1.報告書の内容に沿った新規立法の検討を進め、今年の通常国会での新規立法を求めます

 検討会でまとめられた報告書では、「取引デジタルプラットフォーム提供者」に対して、消費者と売主との円滑な連絡を確保するための措置や、必要に応じて売主に対し所在地などの確認のための資料提出を求めることなど、売主を把握することに一定の努力義務が設けられ、その適切かつ有効な実施については指針で定めるとされました。また、安全性に重大な影響を及ぼす商品などについては、「取引デジタルプラットフォーム提供者」が販売停止などの措置を講ずることができるとされました。

 「取引デジタルプラットフォーム提供者」は、「場」の提供者として、責任を持って規定された事項に取り組み、消費者被害の防止に努めていくことが健全な市場形成に資するものであると考えます。

 「取引デジタルプラットフォーム官民協議会」については、消費者の保護の視点で様々な課題を整理し、より健全な取引市場の円滑化のために寄与することに期待します。

 消費者がより安全に安心してデジタルプラットフォームを利用できるよう、報告書の内容から後退することなく新規立法の検討を迅速に進め、今年の通常国会での新規立法を求めます。

2.法成立後の課題として以下の点の検討・対応を求めます

 報告書の「はじめに」には、「報告書以降もあるべき環境整備についての検討を深め、必要に応じて更なる段階的な対応を講じることができるよう、不断に取組を行っていくべき」と記載されています。以下の点について、検討・対応を進めることを求めます。

(1)売主に対する管理責任の法的義務化
 当会では、デジタルプラットフォームにおける取引において、入り口となる売主の本人確認をより厳格に行うことにより、悪質な売主を排除することができるのではないかと意見を述べてまいりましたが、報告書では、デジタルプラットフォーム企業が売主及び出品物の全ての管理・監視を行うことは事実上不可能とされました。「取引デジタルプラットフォーム提供者」の売主の所在地等の確認は努力義務となりましたが、今後も安全性に問題のある商品が販売されたり、売主と連絡が取れなくなるなど、悪質な事業者が存在しつづけ、消費者被害が減少しない状況が続くようであれば、罰則を含めた法的義務化に向けて検討を行うことを求めます。

(2)CtoC取引に関する法整備
 今回の報告書はBtoC取引に即したものとなりましたが、現在CtoC取引にも、安全性に問題のある商品の取引が行われるなど様々な問題がありますので、早急に法整備のための検討を求めます。

(3)残された課題の継続検討
 検討会にて論議されたものの今後の検討課題とされた、ターゲティング広告や不正レビュー、パーソナルデータのプロファイルに基づく表示等の課題などについても、消費者保護のための環境整備に向けて、引き続き検討してくことを求めます。

(4)迅速な見直しの必要性
 また、報告書では情報通信技術が急速に進展し得るもので、消費者被害の態様も変化することが想定されることから、法施行後一定期間後の見直しについても記載されています。社会のデジタル化は急速に進んでおり、デジタル市場や消費者を取り巻く環境も大きく変化し、グローバル化が進む中においては、時代の変化を捉えた迅速な制度対応が必要であり、施行後の短い期間での見直しを求めます。

以上