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「LPガスの料金透明化と取引適正化に向けた意見」を提出しました

 経済産業省は2017年、都市ガスの自由化に合わせて、その競合先と目されるLPガスについて「取引適正化ガイドライン」を策定し、取引の透明化を求めました。しかしガイドライン策定後も料金・契約の透明性問題については依然として改善の余地があることが指摘されています。

 当会は、LPガスが国内における重要なエネルギーであることを踏まえ、LPガス業界がより一層消費者に信頼される事業となるよう、意見を提出しました。

経済産業省 資源エネルギー庁 資源燃料部 石油流通課 御中

2020年2月26日

LPガスの料金透明化と取引適正化に向けた意見書

一般社団法人 全国消費者団体連絡会

 消費者団体では、以前よりLPガス料金の透明化及び消費者への丁寧な説明について要望をしてきています。毎年各地で行われる「LPガス懇談会」においては、LPガスの地域密着性・強靭性等への信頼が示されるとともに、料金・契約の透明性問題については依然として改善の余地があることが指摘されています。

 当会は、LPガスが国内における重要なエネルギーであることを踏まえ、LPガス業界がより一層消費者に信頼される事業となるよう、監督官庁である貴庁に対し、下記の2点を要望します。

1.取引適正化ガイドラインの遵守徹底のための施策の継続とともに、遵守事項について法令に基づく義務化の検討を求めます。

 2017年に制定された「液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針」は、それまで業界が取り組んできたガイドラインを基盤に標準化を図ったものと認識しています。つまり、この指針は業界もその必要性と実現性を支持するものであるはずです。

 この間、各地で開催されている「LPガス懇談会」や消費者団体の調査等では、本指針に沿って料金開示を行っている事業者は増えてきていること、しかしそれはまだ全体として不十分であること、事業者としても料金開示の重要性について認識をしていない例があること、などが明らかになっています。こうした実態は、2019年に総務省北海道管区行政評価局が行った調査でも指摘をされています。

 貴庁には、引き続き液石法令・取引適正化指針の遵守を事業者に求め、指導を強めていただくよう改めて要望します。特に標準的な料金メニューの公表については、最低限の事項として早期に徹底を図ってください。

 当会は、2017年に本指針が制定される際に、法令に基づく義務化を求めました。その際には、貴庁より「本指針制定後の液化石油ガス販売事業者の取組状況や、一般消費者等からの苦情の発生状況等を踏まえつつ、必要があれば法令に基づく義務とすることも含めて、更なる対応の必要性を検討することとしたいと考えています」との回答を得ています。引きつづき指針の遵守状況を点検しながら、必要に応じて法令に基づく義務化についても検討するべきではないかと考えます。

2.無償配管・無償貸与問題の抜本的な対策に着手すべきです。

 この間の消費者団体の調査・都道府県協会等との懇談、また、総務省北海道管区行政評価局の調査において、特に賃貸住宅における料金の不透明性問題が深刻であることが明らかになっています。

 この問題の背景にLPガス業界における無償配管・無償貸与慣行があることは、以前から指摘されています。一部地域においてLPガス業界自体の努力によって、状況が改善しつつある事例については当会も聞いておりますが、依然として度を越した無償配管・無償貸与が賃貸住宅のLPガス料金を引き上げている事例は多く、地域によってはかなり深刻な状況もあると考えています。

 この問題はLPガス事業者・業界の努力だけでは解決が難しいものです。貴庁には、国土交通省・公正取引委員会・地方自治体等と連携をとり、抜本的な対策について検討を行い、施策を実施していただくよう要望します。

以上