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「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する
消費者との取引における優越的地位の濫用に関する
独占禁止法上の考え方(案)」に対する意見を提出しました

 インターネット上のショッピングモールやマッチングサイト等、プラットフォームを介した取引が拡大しています。取引は、BtoC型だけではなく、CtoC型のものもあり、消費者が容易に取引に参加することが可能になっています。

 取引の素人である「消費者」が、安心して取引を利用することができるよう、必要なルール、仕組みについて調査・検討が必要であるとして、内閣府消費者委員会で「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会」では3月に報告書がまとまりました。

 また、経済産業省・公正取引委員会・総務省では12月にまとめられた「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」では、「サービスの対価として自らに関連するデータを提供する消費者との関係での優越的地位の濫用規制の適用等,デジタル市場における公正かつ自由な競争を確保するための独占禁止法の運用や関連する制度の在り方を検討する」こととされたことを踏まえ,デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用規制の考え方を明確化することにより,法運用の透明性を一層確保し,デジタル・プラットフォーマーの予見可能性を向上させるため,「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)」(以下「考え方(案)」という。)を作成され、意見募集を行っています。(締切は9月30日)
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=110300034&Mode=0

※全国消団連では、9月19日に以下の意見書を提出いたしました。

2019年9月19日

「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する
消費者との取引における優越的地位の濫用に関する
独占禁止法上の考え方(案)」に対する意見

一般社団法人 全国消費者団体連絡会

(該当箇所)

1.優越的地位の濫用規制についての基本的考え方

(意見内容)

消費者保護を強化する観点から、デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引に優越的地位の濫用規制を適用することに賛成します。

(理由)

デジタル・プラットフォーマーが提供するサービスが多様化する中、消費者はインターネットでの検索やネットショッピングをはじめ、デジタル・プラットフォームを大変便利に活用している一方、規制は後追いになっており、多くの消費者トラブルも発生しています。消費者契約法第1条に考え方が示されている通り、消費者・事業者間には情報力・交渉力の格差が存在します。デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引に優越的地位の濫用規制を適用することにより、前述の格差是正の一助に資するとともに、デジタル・プラットフォーマーにおける消費者保護の環境整備につながるものと考えます。

(該当箇所)

5.優越的地位の濫用となる行為類型
 (1)個人情報等の不当な取得
 (2)個人情報等の不当な利用

(意見内容)

事業者の消費者保護対応・セキュリティ対応の強化や意識改善につながることが期待されることから、考え方(案)に示す行為を優越的地位の濫用と捉えることに賛成します。

(理由)

公正取引委員会が行ったデジタル・プラットフォームサービスを利用している消費者アンケートにおいて、「個人情報や利用データなどを勝手に利用することやめてほしい」との回答は約5割であり、また「個人情報や利用データの収集、利用、管理等に懸念がある」と約7割の人が回答しています。消費者は自分の個人情報について、そのプラットフォーム利用の際の必要なものとして、指示されるままに入力をして、細かく書かれた利用規約にも同意をしていますが、その後にどのような収集・利用がされているのかについてはわかりません。「リクナビ」で起こった本人に同意なく情報を販売していた事件をはじめ、個人情報や検索データが問題となる事件は多々起こっています。個人情報保護法での規制は当然ながら、考え方(案)に示す行為を独占禁止法上の優越的地位の濫用と捉えることにより、事業者の消費者保護対応・セキュリティ対応の強化や意識改善につなげるべきと考えます。

以上