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7月1日 PLオンブズ会議報告会
「提言 消費者被害防止のために、改めて消費者事故情報一元化と
その活用を求めます」を提出しました

 PLオンブズ会議と全国消費者団体連絡会では、毎年製品安全をテーマとする報告会を開催していますが、2019年度は「何度言ったら事故情報を一元化できるのだ!〜消費者安全行政の10年と課題〜」と題して7月1日に開催しました。この会において、以下の提言をとりまとめましたので、提出いたしました。

(宛先)内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、経済産業大臣、消費者庁長官、
内閣府消費者委員会委員長、国民生活センター理事長

提   言

消費者被害防止のために、
改めて消費者事故情報一元化とその活用を求めます

 消費者庁が発足して10年になります。私たちは、消費者庁の発足を前に、「消費者事故情報の一元化に対する提言」をまとめ、消費者庁の担う消費者事故情報の収集・公開のシステムが真に消費者被害の防止に有効に機能するために、

1、データベースに収録する事故データは、消費生活すべての分野を網羅し、警察・消防・病院を含め全公的機関の所有する事故データや消費者団体等の収集情報も加えること

2、収集された事故データの分析・原因解明に十分な人員を配置すること

などを求めました。

 しかし、残念ながら、所管省庁等が異なる消防、警察、病院、保育所・幼稚園・学校等の事故情報は一元化されたとはいえない状況が続いています。また、データの分析・原因解明も十分とはいえません。「事故情報は国民の共有財産(公共の財産)」であり、行政、事業者、消費者がそれぞれ情報を出し合って、それを有効に活用し事故の再発防止に結び付けることが重要です。

 そのために、消費者庁に対して、他の関係省庁が保有する事故情報のみならず、事業者、消費者からの情報の一層の一元化に取り組むことを強く求めます。一元化にあたっては、内閣府消費者委員会が平成29年8月にとりまとめた「事故情報の更なる活用に向けた提言」を踏まえるべきです。加えて、消費者が事故情報を簡易に提供できるよう、SNSを活用した情報集約の仕組みなどを整えることが必要です。

 また、前述のように事故情報一元化の動きが進展していないことを踏まえ、PLオンブズ会議としては次のような内容を含んだ「事故情報収集公開法(仮称)」の制定を提案します。

①各省庁等が保有する事故情報を一元化し、消費者庁はじめ各省庁が常時アクセスできるようにすること。消費者・事業者など、多くの人がこの情報を見られるようにすること。

②集めた事故情報を調査・分析する「消費者事故総合分析センター」を設立し、運輸安全委員会のような事故発生直後から現場に立ち入り調査する権限を付与するとともに、専門家を派遣できるよう体制を整備すること。

 加えて、事業者は、国民の安全を最高の価値ととらえ、自ら安全な製品作りに励むとともに、行政や消費者への情報の提供をおこたらず、かつ行政や消費者からの情報も常時真摯に受け止めて製品の改善を図り、一層の事故防止に努めるべきです。

 併せて、消費者においても、自ら経験した事故情報をいち早く社会で共有できるよう、行政や事業者に知らせることが求められます。また、皆が迅速かつ積極的に情報提供を行うために、事故当事者や家族を責めるようなバッシングをしないことも重要です。

 以上、私たちは、安全な社会を目指して、進まぬ事故情報の一元化を抜本的に改善するため、新しく法律を作ることを含めた提言をします。

2019年7月1日
PLオンブズ会議
全国消費者団体連絡会