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「単位価格表示制度」に対する意見を提出しました

 単位価格表示制度について、国内では、昭和50年ころより地方自治体の条例により取り組まれてきましたが、地域により対象品目や表示の単位などが異なり、また近年条例が廃止される自治体も見られるようになり、消費者の知る権利、利便性向上が危ぶまれる状況になりつつあります。

 一方、国際的には、ISOの提案により国際規格の開発がすすめられ2018年11月にISO21041として発行されました。国際規格化には、日本からも委員が参加し積極的に携わってきました。

 これを機に、日本でもJIS規格化に向けた動きがあります。消費者団体としても国内の統一した単位価格表示制度が必要と考え、2019年1月8日、単位価格表示のJIS規格化を求める意見を提出しました。

<宛先> 経済産業大臣、経済産業省産業技術環境局国際標準課、消費者担当大臣、
消費者庁消費者政策課

2019年1月8日

「単位価格表示制度」に対する意見

一般社団法人 全国消費者団体連絡会
代表理事 (共同代表) 岩岡 宏保
代表理事 (共同代表) 長田 三紀
代表理事 (共同代表) 浦郷 由季

 昨今、原材料、包装資材、人件費、輸送コスト等の高騰を理由に、食品や日用品の値上げが目立ちます。中でも容量を減らし価格を据え置く手法による実質値上げは、店頭で商品を選ぶ消費者には気づきにくいことがあげられます。また、環境に優しいと謳う詰替用商品に関しては、本体よりも容量が少なく、実際の単位価格が本体よりも高いという現象が見受けられます。

 そもそも単位価格表示の推進は第5回消費者保護会議(昭和47年)において決定されました。その後、総合的な普及推進方策を検討する単位価格表示推進対策委員会(昭和48年)が設置され、昭和50年の最終報告には、全国的な普及推進を図る方向性が明確に示されました(昭和50年8月20日 経済企画庁国民生活局・農林省食品流通局長・通商産業省産業政策局長通達)。

 しかし時間の経過と共に、単位価格表示制度への国および地方自治体の取組みが薄れ、自治体による条例廃止が進んでいることは、消費者の利便性を著しく損ない、消費者の知る権利を脅かす結果を招いています。また各自治体によって、対象品目および単位が異なることは、地域格差・不均衡を生んでいます。更に、消費者は、今ではインターネットでも商品を購入します。昭和40年代とは購買行動が変容し、各地の単位価格表示制度はインターネット社会に対応したものとは言えません。 過去に決定された消費者政策が維持されていないことは遺憾です。2018年11月には、単位価格表示制度に関わる国際規格がISO21041として発行されました。こうした背景と共に、消費者基本計画に明示することを求めた消費者団体のこれまでの取組みを鑑み、以下意見を申し述べます。

1.国際規格の発行を機に、日本国内規格(JIS規格)の制定を求めます

 日本は単位価格表示制度を導入した世界で2番目の国です。法制化がされた国もあり、単位価格表示は消費者の権利確保に一定の意義があることは国際的な共通認識です。現状、日本国内は自治体によって単位価格表示の運用方法が異なるため、表示があったり無かったり、単位が統一されていなかったり、消費者にとってわかりにくい状態です。日本における本表示の標準化は、わかりやすい表示の実現のために重要な取り組みです。どの地域に住んでいても、消費者が買い物の時に単価を参照できるようにしてください。ついては、日本の事業者が運用しやすい、また消費者に受け入れやすいJIS規格の制定を求めます。

2.単位価格表示制度の推進を消費者基本計画に盛り込むよう求めます

 単位価格表示制度は、先述のとおり消費者保護施策の一つです。消費者基本計画に明示し、本表示制度に関わる十分な検討の機会を設けると共に、普及・啓発に取り組むよう求めます。

以上