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「『第4期消費者基本計画のあり方に関する検討会』
中間取りまとめに関する意見」を提出しました

 消費者庁は、2020年度からの次期消費者基本計画の在り方を検討する場として「第4期消費者基本計画のあり方に関する検討会」を開催し、検討が行われています。

 8月には、第4期消費者基本計画を策定するに当たって配慮すべき重要な視点について、現行の第3期消費者基本計画には十分に盛り込まれていないものを中心に、中間取りまとめがまとめられました。

 現在、中間取りまとめを踏まえた今後の議論の方向性についての意見募集が行われています。全国消団連では、9月14日に意見を提出いたしました。

提出先:消費者庁消費者政策課

「第4期消費者基本計画のあり方に関する検討会」
中間取りまとめに関する意見

中間取りまとめのうち、更なる補強が必要と思われる部分について、以下意見を申し述べます。

「Ⅰ はじめに」に関して

  • 消費者基本計画は消費者政策をより充実させるための重要なツールであり、消費者庁は消費者行政の司令塔として、消費者基本計画に基づき政府全体の消費者政策を推進させていく役割を負っています。これまで3期にわたり消費者基本計画が策定され、毎年改定などの作業が行われてきました。しかし、書かれた施策の実効性確保や、基本計画本体部分と工程表部分の整合性については不十分であるとの指摘もあります(例えば、工程表に記載されている施策の大部分が「○○を推進する」「○○を検討する」と総論的な記述となっており効果的な検証・評価ができる形になっていない、施策の目標達成度で評価されるべきKPIの設定が不十分で工程表帯表に位置付けられたKPIが基本計画本体で例示されたKPIの視点と一貫していない、等)。第4期消費者基本計画の策定については、消費者政策の推進においてこれまでの消費者基本計画が果たした成果と課題を振り返り、実効性が担保される形で策定を進めることが重要と考えます。

「Ⅲ 消費者政策の視点について」に関して

○ 3(2)脆弱な消費者

  • 「脆弱な消費者」という概念は、現状では社会的に認識が共有された概念とはいえず、これを「自立困難な消費者」とのみ捉えるのは狭い感があります。また、これに対する施策が「消費者トラブルに対する相談支援体制」というような記述になっていますが、このような受け身の視点だけでなく、脆弱な消費者にとって消費生活における様々な機会・選択肢が豊富に用意されるよう、産業界の積極的な取り組みを支援する施策も必要と考えます。製品・サービスとそれを活用する者によって脆弱性は大きく異なると考えられることから、製品・サービスごとに脆弱性を特定し、消費者庁と各省庁が連携しつつ分野別に必要な施策を講じる必要があります。

○ 4(1)消費者行政の推進力の向上

  • 消費者問題について、「政府一体となって対処することにより、迅速な対応を行っていく」上では、消費者委員会の建議機能の発揮が重要であり、この点についても触れるべきです。
  • 「②地方公共団体における対応力の強化」については、地方における消費者行政の体制確保が重要ですが、手立てとしては、地方消費者行政強化交付金や地方公共団体の一般財源の確保だけでなく、「国による恒久的な財政支援策の検討」も加筆すべきと考えます。

○ 4(2)消費者団体の活性化

  • 消費者団体の活性化に向けて、消費者団体と行政・事業者が連携し政策的に検討することとともに、消費者団体が担う公益的役割(消費者団体訴訟制度の行使等)に対して財政支援の検討を求めます。

○なお、今通常国会で改正された消費者契約法の附帯決議に明記された課題は、第4期消費者基本計画の対象期間に実現されるべき施策が多く(消費者契約法の次回改正、消費者団体訴訟制度の見直しと適格消費者団体への財政支援の充実、行政による財産保全制度等の検討、地方消費者行政の恒久的な財政支援策の検討、消費生活相談員の処遇改善等)、これらの事項については確実に第4期消費者基本計画に反映されるべきと考えます。

以上