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「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会」
取りまとめ(案)に係る意見を提出しました

 2016年8月から2017年3月まで厚生労働省主催による「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会」が8回開催され、食品用器具及び容器包装の規制のあり方と目指すべき方向性について検討が行われました。

 これまで、食品に用いられる器具及び容器包装については、国が食品衛生法に基づいて規格基準を定めた物質についての使用の制限等に加え、業界の自主管理等の取り組みによって、安全性が確保されてきました。しかし、現状の制度(ネガティブリスト制度)では欧米で使用が禁止されている物質であっても、個別の規格基準を定めない限り、直ちに規制することはできません。一方、欧米では、合成樹脂等の器具及び容器包装について、全性を評価し、使用を認められた物質以外は使用を禁止するという仕組み(ポジティブリスト制度)による管理が、国の制度として導入されています。また、アジア諸国においてもポジティブリスト制度による管理について、導入又は導入に向けた検討が進められています。

 このような状況を踏まえ、器具及び容器包装の更なる安全性の向上及び国際的な整合性確保を目的に検討が進められました。本年3月に中間取りまとめ案に対する意見募集が行われ、下記の意見を提出しました。

募集要項

2017年4月6日

「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会」取りまとめ(案)に係る意見

一般社団法人 全国消費者団体連絡会
  代表理事 (共同代表) 岩岡  宏保
  代表理事 (共同代表) 松岡萬里野
  代表理事 (共同代表) 河野  康子

1.食品用器具及び容器包装のポジティブリスト制度の導入及び製造管理の義務付けに賛成します

 国の規格基準による物質の使用制限や、業界団体の自主管理基準等により、国内の食品用器具及び容器包装の安全性が確保されてきたことは評価するものです。

 一方、欧米等では既に合成樹脂等の器具及び容器包装について、安全性を評価し、使用を認められた物質以外は使用を禁止する仕組み(ポジティブリスト制度)による管理が国の制度として導入されており、アジア諸国でも導入又は導入に向けた検討が進められています。

 日本においては、2012年7月から厚生労働省において「食品用器具及び容器包装の規制のあり方に係る検討会」での検討が始まり、2015年6月に中間取りまとめとしてポジティブリスト制度導入を推進していく方向性が示されました。それを受けて、「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会」が開かれ、今回の取りまとめ(案)が公表されました。

 日本でポジティブリスト制度が導入されれば、欧米等で使用が禁止されている物質を用いた製品が製造・使用されれば直ちに規制が及び、業界団体に加入していない事業者に対しても規制の網がかけられるようになります。

 今回の取りまとめ案では、ポジティブリスト制度化に向け、課題も多くさらなる検討を進めることとされていますが、2012年から検討されてきた事案でもあります。取りまとめ(案)の内容を速やかにそして確実に遂行してください。

2.食品用器具及び容器包装のポジティブリスト制度について、事業者の取り組みを支援するためにも、消費者への周知を図ってください。

 食品用器具及び容器包装のポジティブリスト制度の導入を進めるためには、一般消費者の理解も重要です。事業者の取り組みを支援するため、食品用器具及び容器包装のポジティブリスト制度について、消費者の理解促進につながるよう周知を図ってください。

以上