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「健康増進法に規定する特別用途表示の
許可等に関する内閣府令(案)について」
意見を提出しました。

 消費者庁では、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令に関して、関与成分が含まれていない等の特定保健用食品6品が判明したことを踏まえ、内閣府令の改正案を示しました。特定保健用食品については、許可後、当該食品の安全性又は効果に、新たな科学的知見を得た場合には、許可を受けた者に対し、消費者庁への報告を義務付けることなどが改正内容です。

 全国消団連では理事会において検討し、本日以下の通り意見を提出しました。

2016年12月27日

特別用途表示に関する内閣府令(案)への意見

一般社団法人 全国消費者団体連絡会
代表理事(共同代表) 岩岡  宏保
代表理事(共同代表) 松岡萬里野
代表理事(共同代表) 河野  康子

1.特定保健用食品の再審査に係る府令改正案は、行政自身の事後チェックが制度的に働くように定めるべきです

 今回、関与成分が含まれていない特定保健用食品が判明したこと等を踏まえ、事業者が新たな科学的知見を得た際に報告義務を課す第5条第1項を設けることに賛成します。

 ただし、内閣総理大臣が食品安全委員会及び消費者委員会の意見を聴く際の要件として、現行条文(第5条第1項)が「新たな科学的知見が生じたときその他必要があると認めるとき」となっているのに対し、改正案(第5条第2項)は「前項の報告について必要があると認めるときその他必要があると認めるとき」となっており、内閣総理大臣が新たな科学的知見が生じたと判断した際に食品安全委員会及び消費者委員会の意見を聴くのかどうかが不明確な条文となっています。

 内閣府令は行政自身の事後チェックが制度的に働くように定めるべきであり、「新たな科学的知見が生じたとき」という文言を、改正案第5条第2項の「前項の報告について必要があると認めるときその他必要があると認めるとき」の前に残すべきです。

2.特定保健用食品については更新制の再導入を引き続き検討するとともに、保健機能食品制度全般の見直しを進めてください

 特定保健用食品については、従来より事後チェックの不十分さが指摘されています。また、消費者委員会より、平成28年4月に特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議が出されましたが、これへの対応が取られていないことは問題です。今回の内閣府令改正で新たな科学的知見についての事業者からの報告が義務化されることになりますが、動向を注視し、引き続き更新制の再導入を検討してください。また、消費者委員会の建議への対応を早急に進めてください。

 また、特定保健用食品などの保健機能食品制度については、消費者基本計画工程表において、制度のあり方を含め対応が課題化されています。今般とりまとめられた消費者庁の「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」報告書においても、「本報告書に基づいて、保健機能食品制度全般の円滑な運用を視野に入れながら、必要な措置が講ぜられることを消費者庁に期待する」と記述されています。保健機能食品制度については、事後チェックのあり方をはじめ消費者が十分に信頼を置けない状態となっており、制度全般の見直しを求めます。

以上