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意見書「製品事故被害の校正・迅速な救済と
製品安全の向上のために」を
PLオンブズ会議と連名で提出しました

2015年7月8日

消費者庁長官、消費者委員会委員長に提出

一般社団法人 全国消費者団体連絡会
代表理事(共同代表)岩岡  宏保
代表理事(共同代表)河野  康子
代表理事(共同代表)松岡萬里野
PLオンブズ会議

製品事故被害の公正・迅速な救済と製品安全の向上に関する要望

 今年は製造物責任法(PL法)の施行20周年という一つの節目の年です。PL法が製品事故の被害者の救済や製品事故の防止に一定の役割を果たしてきたことは間違いありませんが、今も製品事故による被害は繰り返し発生しており、公正で迅速な被害救済と製品安全の向上・事故の防止が引き続き課題になっています。

 そこで、私たちは、7月1日にシンポジウムを開催し、身近な自転車の例を題材に情報化、国際化、高齢化時代の製品安全と製品事故の被害救済の現状や問題点を話し合いました。

 法律の問題としては、①被害者の立証負担の軽減が課題であること(推定規定の設置)、②「開発危険の抗弁」の主張による訴訟の長期化が見られること(茶のしずく石鹸による健康被害など)、③製品によっては使用期間が10年の責任期間を超える例も少なくなく、且つ欠陥による事故も発生していること(加湿器など)等、20年前の立法の段階で論点となりながら、PL法に反映されなかったために今なお問題が残されています。また、最近増加しているネット通販で扱われる製品の中には輸入品も多く、製造事業者が特定できないものがあり、欠陥による事故の被害救済が難しいケースも生まれています(自転車など)。

 これらの問題を解決するためには法改正が必要です。私たちは、法施行20年の機会に改めてPL法改正案を発表し、国の施策として早急に取り組むことを求めるものです。

・・・・・・・・・・・・(要望①)

 つぎに被害者の立証負担の軽減に関しては、立法当時「裁判において事案に応じ事実上の推定を活用すること」の必要性が政府の見解でも示されていました。被害の公正・迅速な救済の実現のために「事実上の推定の活用」を裁判関係者に求めます。

・・・・・・・・・・・・(要望②)

 また、今回具体的な事例として取り上げた自転車では、走行中の破損により転倒し、大怪我をするなどの事故が発生していますが、国としての品質(安全)基準は設けられていません。私たちの日常生活に欠かすことのできないものであり、製品の安全の向上、事故防止の観点から早急に国として実効性のある品質(安全)基準を設けることが必要です。国の責任ある取り組みを求めます。

・・・・・・・・・・・・(要望③)

 私たちは、以上の提言の実現とともに引き続き製品事故の被害救済と製品の安全向上・事故防止に取り組む決意を表明するものです。

以上

≫ 製造物責任法施行20周年シンポジウム(7月1日)の開催報告はこちら