[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る


関西電力株式会社の電気料金値上げ申請に係る意見を提出しました

資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課「国民の声」担当 御中

関西電力株式会社の電気料金値上げ申請に係る意見

【氏名】 一般社団法人 全国消費者団体連絡会

【住所】 〒102-0085 東京都千代田区六番町15 プラザエフ6階

【電話番号】 03-5216-6024

【FAX番号】 03-5216-6036

【E-mail】 webmaster@shodanren.gr.jp

 今回の値上げ申請は前回の値上げから2年足らずでの再申請になります。前回の9.75%の値上げに加えて10.23%という大幅な値上げ申請であり、消費者の家計や地域の行政サービス、企業活動等に大きな支障を及ぼすことが危惧されます。また、物価上昇にもつながり、消費者にとって死活問題となるものです。

 今回の値上げ審査は電源構成変分認可制度の適用となり、審査対象が限定されています。しかし、本来、今回の申請は前回の査定をふまえた効率化計画を着実に実施した結果であることが前提であるべきで、電源構成変分認可制度による安易な値上げは認められません。

 多くの消費者は、今回の値上げの経緯及び責任問題についての関西電力の説明には説得力がないと感じています。査定項目のみならず、査定項目以外についても丁寧に説明し、値上げ幅を圧縮し、消費者の負担を軽減することを求めます。

 <全体を通して>

@2015年度の事業計画、効率化計画の詳細がまだ示されていません。関西電力は2015年度の具体的な事業計画、効率化計画を電気料金審査専門小委員会の査定案の前に示し、適正な査定を受けるべきです。

A関西電力は、効率化の成果による原資を財務体質の回復と料金負担の軽減に活用するとしていますが、前回から2年足らずの再値上げであり、実施されると社会全体へも影響が及ぶことを考慮し、より多くの原資を料金負担の軽減(値上げ幅圧縮)に活用するべきです。

 <査定対象項目について>

 燃料費・購入電力料について

@火力燃料費抑制のために具体的に行った対策、特にピークシフト・メリットオーダーをどのように働かせたか、卸電力取引所等の活用実態、再生可能エネルギーの活用実態について具体例を用いたわかりやすい説明が必要です。

A購入電力料に関しては最近の原油価格下落による費用削減効果を出来るだけ原価に織り込むべきです。

 <査定対象項目ではないが料金算定の前提として事業者による積極的な取り組みや消費者への丁寧な情報提供・説明が求められるものについて>

 経営効率化について

@前回値上げ申請時に査定を受けた経営効率化目標は、その達成が再値上げ申請の前提でなければなりません。未達成項目の「人件費」「諸経費等」は自らの努力で削減可能な費目であり、経営姿勢が問われるものです。項目毎に査定額通りに削減するべきです。「役員報酬」については、前回の値上げからこれまでの未達成分を平成27年度に計上することを求めます。

A消費者に更なる負担増を求めるに当たり、顧問関連の経費、競争入札比率、諸経費(寄付金、団体費等)、普及開発関係費、健康保険料の事業主負担割合など、前回の値上げ申請時の査定項目について、更なる効率化の努力を求めます。

 電源構成の見直しについて

 今回の申請でも原子力発電所の再稼働が前提になっています。現在の再稼働に向けての審査の進捗を見る限り、原発再稼働の前提が崩れる可能性も高く、その場合の再度の値上げの不安が払拭できません。安易に値上げ申請を行うのではなく、再生可能エネルギーをはじめとする電源構成の多様化をすすめ、そのバランスを調整するなどのリスク軽減策を持つべきです。

 需要家への対応について

@地域独占で事業を行う事業者として、顧客の満足度を向上させる努力は必須です。特に規制部門利用者の電力利用実態を調査・分析し、現在は電力会社を選べない消費者に対して、生活実態に合わせて選択し易い料金メニューを提供したり、コンサルティングなどの丁寧な説明をするなど、消費者の視点を持った事業展開を望みます。

A今回も値上げ幅が大きく消費者には大変な負担となります。激変緩和措置を検討すること、また、電気料金の支払いが滞った時に安易に電気を止めることの無いよう配慮を求めます。

 中長期的に取り組むべき事項について

 関西電力は原発比率が高いために、原発の再稼働時期の遅れが財務基盤の毀損に直結し、再値上げを余儀なくされました。その対策としても、多様な電源構成をバランスよく組み合わせることが必要と考えます。関西電力には中長期計画がありますが、現在の経営環境に適応していません。今後10年・20年の計画について、現状をふまえた現実的な将来像を早期に示すべきです。