[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る


2014.9.4 景品表示法における課徴金制度導入について
意見書を提出しました


消費者庁課徴金制度検討室 意見募集担当 御中

「景品表示法における課徴金制度導入について」

[氏名] 一般社団法人 全国消費者団体連絡会

[住所] 〒102-0085 東京都千代田区六番町15 プラザエフ6階

[電話番号] 03-5216-6024

[E-mail] webmaster@shodanren.gr.jp

  意見・理由
全体として  景品表示法は、不当表示等に対する国や都道府県の監視指導態勢を強化するとともに、事業者には表示等を適正に管理するための必要な措置を義務づけています。改正法では施行後1年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、地方行政体制の強化とセットで消費者保護のための制度とするとされました。消費者が自主的かつ合理的な選択を行うためには、正しい表示が行われることが必要であり、消費者が実際のものよりも著しく優良であると誤認するような表示を行うことはゆるされません。
 『不当な表示を防止するため、不当な表示を行った事業者に経済的不利益を賦課するとともに、不当な表示により消費者に生じた被害の回復を促進する』という考えに基づいた消費者庁案に全国消団連は賛成します。
 確かに、消費者庁案の課徴金算定率は限定的な範囲で、加算措置の導入も見送られ、自主返金による課徴金免除が導入されるなど事業者側に配慮され後退した中身となっていますが、不当表示の事案が後を絶たない現状を鑑みると、課徴金制度の導入自体をこれ以上先送りすべきではありません。不当表示を蔓延させないためには、一刻も早く課徴金を導入するとともに、違反者への指導、助言、勧告を行い、国と地方が連携して、事業者のコンプライアンス体制を確立させるとともに、適格消費者団体などへの情報提供、消費者相談窓口や相談体制の充実を行うなど、徹底した連携体制の整備が必要です。早期導入により、健全な消費市場が構築されることと、消費者の権利が擁護されることを期待します。
1骨子(1)対象行為
イ不実証広告規制
〈意見〉不実証広告規制に係る表示を対象に加えることは必要不可欠です。
〈理由〉何の根拠もなく効果や効能を謳うことは優良誤認表示そのものです。消費者庁がホームページで公表している過去の措置命令の事案は明らかに消費者に不利益をもたらしているものであり、まさに課徴金が賦課されるべきものです。事業者がきちんとした根拠を持って広告・表示を行うようにするために、この制度の対象に不実証広告規制に係る表示を加えることが必要と考えます。
1骨子(4)規模基準 〈意見〉課徴金を賦課しない「150万円未満」の基準を引き下げるべきです。
〈理由〉過去、措置命令が出された商品・役務の売上高の中央値が5,000万円であることを「150万円未満」の根拠とされていると伺っています。しかし、この基準では、過去の事案の半分程度は課徴金が免除されるということであり、これでは不当な表示の抑止力としては不十分と考えます。
1骨子(7)被害回復
(II)(a)助成金
(意見)違反行為者の自主的対応を受け止める補充的な仕組みとして寄附を位置付けることには賛成します。寄附金については消費者被害の防止や回復のために活用されるようしてください。
〈理由〉消費者への返金を原則としつつも、返金する相手が特定できない場合に、違反行為者の自主的対応を補充的に受け止めるものとして寄附の仕組みを設け、寄附金を消費者被害の防止や回復のための活動への助成に充てていくことに賛成します。そうした目的に正しく活用されるよう、助成金の交付に際しては、透明性・公平性を担保する仕組みを検討して下さい。
 国民生活センターに寄附を行うことによって行政罰となる課徴金が免除されるという制度案に対して法制度として違和感があるとの意見があるようですが、消費者行政として公平中立的な運営がなされ、消費者センターなどとの連携も可能な国民センターに実質的に課徴金が納付されることは、今回の景品表示法改正によって地域の見守りネットワークの仕組みが法定化され、地域の担い手が、消費生活協力員、消費生活協力団体として、法律に位置づけられることになった制度改正の趣旨からも適切であると考えます。