2010年9月30日
「自動車リコール制度に関する建議」へのコメント
全国消費者団体連絡会
2010年8月27日に消費者委員会は「自動車リコール制度に関する建議」(以下「同建議」という)を出しました。先立って2010年7月1日に全国消団連PLオンブズ会議は「自動車リコール制度の改革に関する提言」(以下「提言」という)を取りまとめたことから、この提言の視点から「同建議」の内容を吟味し、以下のコメントを表明します。
記 |
一、 |
「同建議」は消費者庁及び消費者委員会設置法に基づく資料請求や調査分析などを経て「自動車リコール制度に関する実態調査報告―ユーザー目線によるリコール制度の運用を目指して―」と題した報告書を取りまとめ、そこで明らかにした事実に基づき、国土交通大臣及び内閣府特命担当大臣(消費者)に対して建議されたものです。消費者委員会が法律上の権限行使として設置以来最初の建議を発したことを高く評価します。 |
一、 |
2010年7月1日に開催された「全国消団連PLオンブズ会議報告会」での論議を踏まえて、全国消団連PLオンブズ会議が取りまとめた「自動車リコール制度の改革に関する提言」の内容がいくつかの項目で「同建議」に生かされたことは評価します。しかし、この提言のリコール要件に関わる項目の「保安基準だけでなく、正当な理由のない事故の危険が存在すると判断した場合を含めること」という道路運送車両法改正に係る部分は消費者委員会の建議には含まれていません。自動車リコール制度改革にあたって最も必要なのは道路運送車両法の見直しであると考えます。 |
一、 |
同建議は国土交通省、消費者庁へ提出されました。消費者委員会は期限を2010年12月までとして実施状況の報告を求めています。自動車リコール制度は消費者の日常生活に直接関わります。この制度の改善のために行政及び企業が道路運送車両法の見直しを含めて積極的に対応することを強く求めます。また、消費者委員会の資料請求や調査等に対して各行政と関係企業はより一層の調査協力を行うよう要望します。 |
以上
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