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2009年7月29日

内閣総理大臣
麻生 太郎 殿

消費者委員会発足にむけての要請

全国消費者団体連絡会
東京都千代田区六番町15プラザエフ6階
TEL:03-5216-6024 FAX:03-5216-6036

 

 全国消費者団体連絡会では、「消費者行政充実検討委員会(旧・消費者行政のあり方検討会議)」を設け、消費者庁・消費者委員会のあり方について検討を重ねていますが、消費者委員会の発足に向け、今回あらためて以下の三つの項目について、意見を申し述べます。引き続き消費者重視の立場から検討を進められるよう要請いたします。

1.消費者委員会は十分な準備を行った上で、新内閣のもとで発足するべきと考えます。

 麻生総理大臣は、消費者庁・消費者委員会を9月に発足させると表明しましたが、現時点で正式な発足日は確定していません。7月1日には消費者委員会設立準備参与が10名任命されましたが、現段階ではどのような消費者委員会を作るのか論議が十分でなく、参与間で認識も共有されていないと考えます。民間出身委員による行政監視組織として大きな役割を担う消費者委員会が、設立準備の段階で十分な検討をしないまま、衆議院選挙結果に基づく新内閣発足が控える中で、見切り発車的に立ち上げられることがあってはなりません。

 新しい委員会の発足にあたってはスタートが肝心です。消費者委員会の意義・任務や、消費者委員会・消費者庁・各省庁の役割分担等について参与間で十分に認識を共有した上で、少なくとも総選挙後、新内閣のもとで発足するべきと考えます。

2.消費者委員会の機能整理を早急に行い、事務局体制を確保することを求めます。

 消費者委員会は、主に

  1. 自ら重要事項について調査審議し、内閣総理大臣・関係各大臣に建議(設置法6条)
  2. 消費者被害の発生・拡大の防止に関し、自ら内閣総理大臣に勧告・報告要求(安全法20条)
  3. 消費者庁関連法案で明記された附則の検討(衆議院附帯決議23項)
  4. 内閣総理大臣や各省大臣からの諮問に基づく調査審議(設置法6条)
  5. 「消費者委員会の意見を聴かなければならない」とされている事項への対応

 の任務を果たすことが必要ですが、これを支える事務局体制についての検討が十分に行われていません。

 消費者委員会事務局の任務としては、大きく分けて

  1. 消費者庁を含む各省庁への建議や勧告準備(情報の収集、調査、分析なども含む)
  2. 消費者委員会本委員会の事務局機能
  3. 他省庁から移管・共管する審議会や部会、小委員会の事務局機能

 があると考えられますが、現時点で消費者委員会事務局についてのイメージは、政府内および消費者委員会設立準備参与間でも共有されているとは言い難い状況です。

 消費者委員会の具体化に向けては、消費者委員会と消費者庁・各省庁との機能整理が不可欠です。早急に機能整理を図るとともに、必要な事務局体制の確保を求めます。

3.消費者委員会設立準備参与会の運営の段階から、参与主体で論議を進められることを求めます。

 消費者委員会が民間出身委員による行政監視組織としての役割を発揮する上では、委員自身の役割発揮が不可欠であり、消費者委員会の運営も「円卓のような場で委員同士が主体的に論議する」「事務局は委員から求められた資料を提供するなど、委員論議のサポート役に徹する」というスタイルの運営にすることが重要です。 

 消費者委員会設立準備参与会は第3回から傍聴が可となりましたが、「省庁担当者が用意した資料に対して各参与が質問し、省庁担当者が答弁する」というスタイルで運営されており、それは従来の審議会と何ら変わらない運営と言わざるをえません。

 消費者委員会を作り上げるための設立準備参与会の段階から、運営スタイルを改め、参与自らが各自の考えを持ち寄り論議しあって決定する運営に変えることを求めます。

 

以上