[このページについてのご意見、お問い合わせなどはメールにて webmaster@shodanren.gr.jp までお送りください。]

全国消団連・トップページへ戻る


参考資料

2009年3月5日

国民生活審議会
会長 佐々木 毅 殿

消費者事故情報一元化システム〜事故情報データバンクについての意見
 

全国消費者団体連絡会
PLオンブズ会議

 消費者事故情報の一元化は、消費者被害の予防と再発防止にとって極めて重要と考えています。この間、国民生活審議会消費者安全に関する検討委員会において、この問題が検討されていることに対して、消費者のために製品安全問題を広く検討してきた当PLオンブズ会議としても大いに期待しています。

 公表されている資料の「論点整理案」の「基本的な考え方」では、「消費者の安全・安心確保の目的の下、(1)被害拡大防止や新たな同種・類似の事故発生防止の観点から、様々な情報を一元的にとらえて諸対応を図るという側面と、(2)情報の社会的な共有化を図り、情報が多元的に活用される機会を創出するという側面がある。システム構築に際しては、両側面にバランス良く配慮する必要がある」とあります。しかし、事故情報データバンク全体のイメージと、画面表示案として示されたものとに一貫性がないとの印象を受けています。システムはいったん完成すると、作り直すのにさらに余計な時間と予算が必要となるので、中途半端なシステムを作って動き出すべきではなく、システムの発足当初から「基本的な考え方」を踏まえたものとして稼働させるべきであると考えます。

 以下、いくつかの点について意見を述べていきます。
 

1.

事故情報データバンク登録・検索画面の改善を求めます。

消費者が登録と検索を行う際に入力する項目が多い割りに、検索結果事例表示画面に表示される項目はあまりにも制限されていると思います。例えば、製品事故の事例について調べたいときや、事故に遭った被害者が関連する事故情報を調べたいとき、現在の検索結果事例表示画面では、情報量が少なく「情報の社会的な共有化」につながりません。例えば、国土交通省の自動車不具合情報ホットラインのように、基本的には提供・集約された情報をそのまま公表すべきです。

また、ヒヤリハット情報の登録画面については、匿名での入力もできるようにすべきです。ヒヤリハット情報は、より多くの情報を集約することにより危険性についての傾向を知ることができるのであり、「送信者情報」の項目は減らす方向で検討すべきです。

当面、製品事故に関する情報を検索したり情報提供できる窓口として、広く国民に認識されることが必要であり、情報を集めるためには、提供した人が自分の情報を公表サイトから確認できることが重要です。
 

2.

警察・消防等も事故情報データバンクへ参画させるべきです。

現在、参画機関として候補にあがっているのは10機関しかありません。これでは「様々な情報を一元的にとらえて諸対応を図る」という目的から考えても少なすぎます。集約された事故情報については、事故情報分析ネットワークを整備して「要注意情報の抽出」と「原因究明・追跡調査」が取り組まれることになっています。事故情報が有効活用されるためには、国の多くの機関で集約されている事故情報を一元化して、集中して分析する仕組みが必要であり、警察・消防等も事故情報データバンクに参画すべきと考えます。
 

3.

消費生活センターを強化し、事故情報の受信力強化をはかるべきです。

事故情報データバンクでは、主に不特定多数の国民からの情報の検索と集約が想定されていますが、「論点整理案」にもあるように、「事故情報の受信力強化」のためには、地方の消費生活センターの相談窓口における集約の仕組みを充実することが必要です。消費生活センターには、多くの消費者被害相談や製品事故等の情報も寄せられており、こうした情報が、事故情報データバンクへ集約されることになれば、全国からの情報を集約することができます。

現在、国の第2次補正予算案の地方消費者行政支援策では、地方消費生活センターの相談体制の強化が指摘されています。まだ、PIO-NETと事故情報データバンクの連携等明らかになっていませんが、全国の情報を有効活用するための仕組みを検討すべきです。

以上