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2009年7月1日

「消費者事故情報一元化」に対する提言
 

全国消費者団体連絡会
PLオンブズ会議

 消費者事故情報の一元化は、消費者被害の予防と再発防止にとって極めて重要な課題です。目下、この秋にスタートする消費者庁が担うことになる情報収集・公表のシステムはどうあるべきか、に大きな関心が集まっています。消費者のために製品安全問題を広く検討してきた私たちPLオンブズ会議は、この問題について検討を重ねてきましたが、本日は多くの関係者の皆さんにもお集まりいただき、わが国の事故情報収集・公表の現状を明らかにするとともにアメリカの状況を参考に、消費者事故情報の一元化のあり方について意見を交換しました。

 本日の論議でも明らかになったように、わが国の事故情報収集の現状は、そもそも発想として「事故情報は国民の共有財産である」との基本的な考えに基づいておらず、多数の機関が情報を収集しているものの、それぞれの機関が縦割り的に保有し、共有化が十分に図られていません。特に、警察、消防や病院の保有する事故情報はその傾向が強く、消費者被害の救済や事故の再発防止・予防を難しくしています。

 また、収集した事故情報が直ちにそのまま公表されるようにはなっていません。公表しないか、公表しても加工して非常にわずかな情報しか提供しないものがほとんどです。公表の迅速性を含めて、消費者に役立つように情報が提供されているとはいえないのが現状です。

 更に、事故情報に基づいて原因究明を行い、事故の未然防止につなげていくことは今後に残された大きな課題です。

 このように現状のシステムは改善すべき大きな課題を抱えています。私たちは、消費者の安全・安心の確保に役立つ「消費者事故情報の一元化」の実現を心から願い、以下の点を提言いたします。
 



一、

事故データベースに収録される事故データは、消費者庁の名に相応しく、消費生活すべて

の分野を網羅し、また、警察・消防・病院を含め、全公的機関の所有する事故データや消費者団体などが収集している事故情報も加えること。
 

一、 事故データ収集に過大な費用を必要とする人的作業は避け、相互のデータベース間で自動的に情報が提供されるシステムを構築すること。加えて民間からの情報提供がスムーズに行われるようなシステムであること。
 
一、 原因究明につなげる仕組みを確立するため、収集された事故データの分析・原因解明に十分な人員を配置すること。
 
一、 被害の防止という観点を重視した公表制度とし、消費者をはじめ民間から情報へのアクセスがスムーズに行えるものにすること。

以上