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2009年7月2日

内閣総理大臣
麻生太郎殿

消費者委員会発足にむけての要請
 

全国消費者団体連絡会
東京都千代田区六番町15プラザエフ6階
TEL:03-5216-6024 FAX:03-5216-6036

 この9月には消費者庁と消費者委員会が設置されます。そして7月1日、消費者庁と消費者委員会の設立を準備する参与の人事が発表されました。

 私たち全国消費者団体連絡会は、消費者庁と消費者委員会が消費者一人一人のために、消費者の視点から行動する組織となることを心より願っています。

 つきましては、新設される消費者委員会について、以下の通り、改めて要請いたします。
 

1.消費者委員会設立準備参与会議の役割と審議内容を公開してください

 設立準備参与会議の役割は、消費者委員会の活動内容の詳細や事務局体制、委員会人事などの重要事項を話し合うことだと考えますが、公式には参与と参与会議の権限や機能は明らかにされておらず、委員会の設立準備方法については、予め国民への公表が必要ではなかったのかと考えます。そして、参与会議での審議経過と決定事項が明らかにされることは、消費者の視点にたった行政を強めて行く上で、私たち消費者にとって大変重要なことだと考えます。

 参与会議への一般消費者や報道機関の傍聴を認め、議事録をホームページに公開するなどして、できる限り参与会議の審議内容を国民に公開してください。
 

2.設置法や国会の附帯決議に基づいて、消費者委員の選任と委員長の互選を行ってください

 6月27日、複数の報道機関が、政府は初代委員長に弁護士を起用する方向で調整を進めていると報道しました。

 消費者庁および消費者委員会設置法の12条1項では、「委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する」とされています。委員の人選が終了したとの公表もなく、今回の報道の通り、政府が委員長決定に関与しているとすれば、この条項に抵触するおそれがあるのではないでしょうか。

 消費者委員会は強い独立性を求められており、委員会設置法7条で委員の独立を、また参議院附帯決議第6項でも「委員の任命理由を明確化する等、説明責任を果たすよう努めること」と決議されています。

 このような趣旨からすると、委員長の選任は強い独立性を有した消費者委員の自由な意思に基づいた選任とするべきです。委員会の監視の対象となるべき行政サイドが委員長の選任を主導的に行っているともとられるような今回の状況は看過できません。
 

3.消費者委員会が期待される機能を発揮できるよう、十分な事務局体制を組んでください

 現在明らかとなっている組織図を見ると、事務局長と参事官1名の2人体制となっています。消費者委員会には、消費者庁に共管・移管となる法の各種審議会を担うだけでなく、独自の調査・勧告権限が与えられます。国会審議を経て消費者庁から独立した消費者委員会がその機能を十二分に発揮するためには、正規職員2人の体制はまったく不十分です。消費者委員会が独自性を発揮しかつ迅速に行動できるよう、十分な事務局体制を準備するよう努めてください。
 

4.2010(平成22)年度の消費者委員会関連予算を十分確保してください

 平成22年度予算の検討が、まもなく開始されます。政府案の段階では、消費者委員会は消費者庁の下におかれることになっており、予算も消費者庁に関する予算として一体的に確保されたと考えます。

 国会論議を経て消費者庁とは独立した組織となりましたので、次年度以降は、委員会活動のための予算も独自に確保する必要があります。

 委員会の活動が旺盛に展開され、委員会に与えられた権限を十分に発揮できるよう、新年度以降の体制と業務を予測して、早急に十分な予算確保に向けて取り組みを行うよう要請します。

以上