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2009年4月9日

内閣府 食品安全委員会事務局 評価課内
「新開発食品の食品健康影響評価」意見募集担当 御中

体細胞クローン技術を用いて産出された牛及び豚並びに
それらの後代に由来する食品に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)について
 

全国消費者団体連絡会
事務局長 阿南 久
〒102-0085 東京千代田区六番町15プラザエフ6階
電話:03-5216-6024

 貴委員会が意見を募集している「体細胞クローン技術を用いて産出された牛および豚並びにそれらの後代に由来する食品の食品健康影響評価に関する審議結果(案)」に対し、下記の意見ならびに要望を提出いたします。

1. 体細胞クローン技術由来の食品に関するリスクコミュニケーションをさらに推進することが必要です。
   体細胞クローンについては、新しい技術であることから、マスコミ等も取り上げ、社会の関心が高まっています。しかし、クローン技術や遺伝子のしくみについては、消費者にとって理解しにくい内容が多く、マスコミ報道等も不安を強調するものが多く見られるため、消費者の不安が高まっていると思われます。したがって、今回の意見募集で寄せられた意見・情報をもとに、体細胞クローン技術に関する理解が深まるような、説明会・意見交換会などリスクコミュニケーションを行なう必要があると考えます。私たちは、今回政府が体細胞クローン技術について、食品健康影響評価を行う必要があると考えた背景や諸外国の状況について、幅広く知りたいと思っています。このような消費者の思いを考慮して説明や意見交換を行ってください。
 
2. リスク管理機関と連携して、体細胞クローン技術における生命倫理や動物福祉などのテーマについて議論する場を設けることも必要と考えます。
   食品安全委員会では審議の対象外とされていますが、体細胞クローン技術は安全性だけでなく、生命倫理、動物福祉等に関する要素も大きく、この点の情報や議論が不足していることから、消費者はこの状態で実用化が進められることに対して不安を感じています。クローン技術に関する消費者の理解をよりすすめるため、リスク管理機関と連携して、これらのテーマについて議論する場を設置することを検討してください。
  
3. 食品安全委員会も体細胞クローン技術に関する科学的な知見を引き続き収集することが必要です。
   評価書(案)では、体細胞クローン技術は新しい技術であることから、リスク管理機関においては、体細胞クローン牛及び豚に由来する食品の安全性に関する知見について、引き続き収集することが必要であるとされています。諸外国においても、体細胞クローン技術を食品に応用することについて、情報収集やリスク評価等が進められていると聞いております。
 食品安全委員会もリスク管理機関と連携して体細胞クローン技術に関する科学的な知見を引き続き収集し、必要に応じて評価の見直しを行うことが必要です。
 

以上